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DVD-AUDIOコンファレンス・ジャパンが開催(2)

2002/11/28
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エイベックス(株)代表取締役会長 依田巽氏
●大坪常務・DAP協議会会長の開会の言葉に続いて、来賓としてエイベックス(株)代表取締役会長 依田巽氏が挨拶した。

依田氏は、「音楽業界自体は、前年比ほぼ横並びになっているが、そのなかでレコード業界ということでは深刻な、違法CD焼付け問題がある。今年、エイベックスがCCCD(コピーコントロールCD)投入を決意した背景には、この違法CD問題がある。現時点で、CCCDの1700万枚出荷に対し、お客様からの問い合わせは3600件程度にとどまっている」と語った。

しかしながらCCCDでは根本的な解決には至っておらず、ソフト業界の立場として、「(エイベックスも)来期からは積極的にDVD-AUDIOの投入を計画している。そういう意味で、(松下電器の)大坪常務が仰った、DVD-VIDEOとのLSIのワンチップ化という話は、飛躍的にプレーヤーの数が増えるので、レコード業界にとって励ましになる」とも語った。

「新しいビジネスの登場で、レコード業界が飛躍的に回復するのではないかという期待がある。着信メロディを含む音楽配信などのビジネスなどにも挑戦しているが、パッケージソフトビジネスからは簡単に脱却できず、当面はCDをやっていかなければならない。CDプレーヤーは何十億台も出回っており、CCCDはソフト業界にとっては最終的な判断であって、ハードウェア会社様にはご迷惑をお掛けしているかもしれないが、ソフト業界をハード業界との両輪に捉えて、ご支援をお願いしたい。」

「セキュアな環境を構築できるDVDで、CDメディアを早く置き換えていきたい。もっと積極的にDVD市場に参入できる環境を整えていただくことを、ハードの皆様にはお願いしたい。DVD-AUDIOにはCDメディアとのクロスオーバーポイントが必ずあり、レコード業界にとって2003年はその予兆が見え始めるのではないかと思う。」

コンファレンスは、まず「DVD-AUDIOの規格」についての説明が、DVDフォーラムのWG4議長である、日本ビクター(株)経営企画部 技術企画グループ 鈴木参事から行われ。続けて、ハード&ソフト各社の代表者による、現状報告・講演が行われた。講演内容は以下のとおり。

1.「DVDオーディオ規格〜規格の動向/規格の特徴と推奨事項/DVD-Auido Recording規格の紹介」
日本ビクター(株) 技術開発本部 VDRユニット 主任研究員 渕上徳彦氏
松下電器産業(株) マルチメディア開発センター 音響グループ 主任技師 新保正利氏

2.「最新市場動向と展望〜DVDオーディオ普及にむけて〜」
DAP協議会 全体会議議長/日本ビクター(株) AV&マルチメディアカンパニー 渉外担当 次長 渡邊哲純氏

3.セキュアな世界〜ソフト業界を救う著作権保護/DVDオーディオのコピープロテクションの仕組み
ワーナーミュージック・ジャパン 法務部 森川卓夫氏
松下電器産業(株) マルチメディア開発センター 企画推進グループ 参事 阿部忠氏

4.ソフト制作レポート〜ソフト制作実例と試聴〜
ビクターエンタテインメント(株) スタジオ長 兼 ソフト技術部 部長 高田英男氏

5.オーサリングツールの最新動向
コロムビアミュージックエンタテインメント(株) 経営管理本部 技術部 主任技師 斎藤徹氏

(AV REVIEW編集部)

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