エイデン 代表取締役社長 岡嶋昇一氏インタビュー

2001年12月30日
エイデン 代表取締役社長 岡嶋昇一氏
●■■■家電流通の再編劇が進む中、デオデオとの持株会社エディオンの設立をいち早く発表するなど積極的な動きを見せるエイデン。さらに、ミドリ電化、上新電機との業務提携を発表し、家電業界トップとなる売上げ9000億円の4社グループを実現させた。いかにして勝ち残るか。(株)エイデン 代表取締役社長 岡嶋昇一氏、2003年の家電流通を語る。(インタビュアー/音元出版・代表取締役社長 和田光征  記事構成/SENKA21編集部)

統合とグループ化を同時進行で進める
 ―― デオデオとの事業統合をすでに発表されていましたが、さらに、売上げが9000億円となる上新電機、ミドリ電化を加えた4社の業務提携を発表されました。
 
岡嶋 まずデオデオとの2社の統合をしっかりとやり、成果を生み出した後に、3社目、4社目というストーリーを描いていました。ところがそれでは遅いんです。それほど流通再編のスピードがはやい。そこで夏頃から、統合は統合でしっかりと準備を進めていきながら、商品開発力を高めるために、同時並行的に統合とグループ化をはかる必要があると考えていました。商品開発力を引き上げて行くにはどうしてもボリュームが要ります。そうした中で、ミドリ電化、上新電機との業務提携に至りました。
ナショナルブランド一辺倒でやっていくと、どうしても価格競争は避けられない。しかし、売上げ9000億円のグループともなれば、メーカーの協力をいただいて、我々のルートでしっかりと販売していけるオリジナル商品をつくることができると思っています。それにより、価格競争が厳しい世の中で差別化をはかっていきたい。それが大きな狙いとなります。
 
我々の商品は、完全買い取りの販売になりますので、販売していくための営業ノウハウは4社のよいところを活かしていきたいと考えています。当面、オリジナル商品については、白物および情報関連が中心になっていくと考えています。
また、4社になると、間接材の調達などでもいろいろとコストダウンの仕組みが出てきます。そこのところは、できるだけオープンにしていきたいと考えています。グループ化し、ボリュームアップしていくことで、いろいろなメリットを提供していくことができると思います。
 
―― オリジナル商品については、価格競争という課題が解消できる一方で、販売員個々の販売力の強化も必要になりますね。
 
岡嶋 これまでは、メーカーがつくったもののなかから、よいもの、売れるものを売っていけばよかった。しかしこれからは、言わば我々が開発したものを、自信を持ってお薦めしていかなくてはならない。そのための販売力が問われることになりますね。一朝一夕にはできないでしょうが、一人一人の販売力を強化していく必要性は痛切に感じています。
 
―― 物流面についても、さらにメリットが現れてくると思います。どのように共有化、効率化を進めていくお考えですか。
 
岡嶋 当初は、仕入れを中心にした業務提携を考えていますが、調達物流でバッティングする地域では、お互いに共有していくことで、収益力の回復に活かしていきたいと思います。
 
現在、ある程度成熟した商品は、海外、特に中国で生産されています。そこで、中国の工場の出荷から、日本の店までをいかに合理的にルートとして開発していくかを研究する余地も十分にあると考えています。今は国内メーカーが各店に商品を納めるシステムが一般的ですが、中国の工場で生産したものを、上海や香港などで船積みする段階からどうしていくかをお互いに考えていけば、さらにコストダウンできる可能性がありますからね。海外に物流拠点をつくる点については、これからの課題ですね。
 
―― 家電量販店のグループ化は必要不可欠ということになりますね。
 
岡嶋 量販店で売るものは4兆〜4兆5000億円ぐらいありますが、そのすべてを単独で、自主自立で販売していくというのは現実には難しいですね。グループ化は必要になるでしょう。もちろん、ナショナルブランドがなくなることもありえませんが、オリジナル商品というのはメーカーの側からしても、専用チャネル、専用機種で生産するものですから、売り切れるし、計画的に生産ができるというメリットがあると思います。
米国の場合にも、ベストバイとサーキットシティが同じものを売っているかというと、確かに、ナショナルブランドでは若干競合するにしても、お互いの専用機種により、きちんと一定の粗利を上げていますからね。

●量販グループは5〜7社で一旦落ち着きを見せる
 
―― 4月に会長に就任されたNEBAの動向については、現在の家電流通再編の動きの中でどのようにお考えですか。
 
岡嶋 NEBAの中でもいろいろな動きが出てきています。しかし私は、NEBAが変わり、会員さんが変わっていかないと今の時代には生き残れないという危機感を持っています。つまり、企業としてどう生き残っていくかが重要なことであり、いろいろとトライアルしながら、変わっていかなければならないと思います。
 
―― 流通全体から考えると、2万数千社ある取扱店が最終的には3分の1程度になるという予測もあるようですが。
 
岡嶋 日本国内の販社の体制にしても、米国に比べても、相当な過剰体制になっていると思います。企業が大きくなっていく今の時代に、過去の細かい時代の販売体制をそのまま引きずっていて、それが大きな不採算になっている部分があります。ですから、販社の統合や合理化も起こり得ますね。
 
―― 岡嶋さんとしては、最終的にはどのような絵を描いていますか。
 
岡嶋 家電量販のグループとしては、5〜7社ぐらいが一つの目安ではないかと考えています。次の段階として、米国や英国のようにさらに集約してしまうのかどうかはわかりませんね。取り敢えず、今の業界再編の動きからすると、5〜7社ぐらいにグループ化が進んだ段階で少し落ち着いて、そこから、決勝トーナメントが始まるかどうか、といったところですね。要するに、現在は予選トーナメントが行われている段階です。何とか、そこで終わってくれるとありがたいのですが(笑)、その後に決勝トーナメントが控えている。そんなイメージでしょうか。
 
―― 流通の現状を考える上では、4月から家電リサイクル法が施行されましたが、廃家電は大きな問題としてクローズアップされています。
 
岡嶋 メーカーも行政も、家電リサイクル法がうまく軌道に乗ったという印象を持っているようですが、実際には数々の問題を抱えています。たとえばリサイクル法ではリユースは許さない仕組みになっていますが、環境循環型社会を目指すにあたり、まずは、リサイクル、リユースが潤滑に行われる仕組みをつくることこそが必要だと思います。
さらに、家電リサイクルの問題が山積されたままで、PCのリサイクルを開始しようとしていますが、そこで、現行の家電4品目は配達商品、PCは持ち帰り商品といったグループ分けを行おうとしています。パソコンは持ち帰り商品だからリサイクル料金を買ったときに乗せる前払い方式、家電は後払い方式といった具合です。リユースしやすいのは前払い方式ですから、本来、前払い方式で統一をはかるべきだと思います。
しかも、本来の法の主旨からすれば、商品を個別に見ること自体おかしい。基本的には、リサイクルはやるべきです。しかし、やるのであれば、全ての商品や耐久消費財に共通して効くような仕組みを考える必要があります。それを、広く浅く、みんなで負担して行く形が望ましいと思いますね。
 
―― ユーザーとしても、後からお金を取られることには抵抗感があるようですね。
 
岡嶋 それを端的に表しているのが冷蔵庫なんです。4品目の中では最も高い4800円のリサイクル料が課せられていますが、そのために需要がだんだん冷え込んできた。お客様が買い替えを我慢され、商品サイクルが長くなっています。昨年夏以降に、修理件数が増えていることからも伺われます。(12月31日<後編>に続く)