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アナログ・デバイセズ、DSP&DAC一体化プロセッサーを発表

公開日 2001/11/27 19:20
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実際に搭載が予想されるのはミニコンポ、カーオーディオ、PCオーディオなど
●アナログ・デバイセズ社はデジタル・オーディオ・プロセッサー「SigmaDSPファミリー」の第1弾となる「SigmaDSP AD1954」を発表した。同社が長年取り組んできたプロフェッショナル用途および民生用ハイエンドオーディオへの高性能オーディオ処理技術を活かし、コスト面競争が熾烈なカーオーディオやミニコンポ、PCオーディオなどの分野において、「SigmaDSP」シリーズをセットメーカーへ提案・訴求していく考えだ。

従来のCDやMDなどのオーディオソースメディアはデジタル化されてはいるが、実際の信号処理部分はアナログ技術に負うところが非常に大きい。同社が開発したシリーズはオーディオ処理におけるアナログからデジタルへの移行の大きな流れに関しての鏑矢となるものだ。

新しいプロセッサーファミリー初の製品となる「SigmaDSP AD1954」は、高性能112dBのDACとオーディオアルゴリズムを実行するよう最適化したDSPを統合したのが大きな特徴だ。セットメーカーはADIが開発したWindows互換グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を使用して、従来よりも容易にオーディオ・プロセッサー部を構成し、エンジニアのサウンドデザイン意図を反映させることができるようになる。

従来のオーディオシステム設計はコストを低く抑えるためにアナログ部品に依存してきたが、「SigmaDSP AD1954」を導入することで設計工程が一新されることとなる。同製品では、簡単なGUIを使用して高品質のデジタル・オーディオ信号処理エンジンを構成できるので、DSPプログラミングの専門知識を必要とせずにデジタルプログラミング工程を簡素化することができ、コスト面及び市場投入期間を短縮することが可能となった。

「SigmaDSP AD1954」は今まで非常に難しいとされてきた高性能オーディオコンバーターとデジタル信号処理を1チップに集約するという課題を解決し、オーディオ信号を音源からシステム出力まで完全にデジタル信号のまま処理できるようになった。主な特徴としては

・3チャンネル(LR+サブウーファー)デジタルオーディオ
・7 バンド48ビットステレオイコライザ
・スピーカー位置調節のためのディレイ
・Phat Stereo空間強調
・デュアルバンド・プロフェッショナル品質ダイナミックプロセッサー

などがあげられる。

「SigmaDSP AD1954」デジタルオーディオプロセッサーは、44ピンMQFPまたは48ピンTQFPパッケージで供給される。拡張温度範囲は−40度から+105度まで。量産開始は2002年1月からを予定している。単価は10,000個受注時で5.88USドル、また、評価用ボードは約250USドルをそれぞれ予定している。(アメリカにおける参考価格)


(AVレビュー編集部)

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