HOME > ニュース > ブロードバンドコンテンツ配信サービス「ヒットポップス」本格始動へ

ブロードバンドコンテンツ配信サービス「ヒットポップス」本格始動へ

公開日 2001/04/06 15:32
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
●三菱商事株式会社、宇宙通信株式会社、東京電力株式会社の3社は2001年4月4日、株式会社ヒットポップスが実行する第三者割当増資を引受けるとともに、今後も段階的に出資額を引き上げ、2001年10月までに同社の資本金を23億円に引上げることに合意した。これによって3社は、通信衛星を利用した日本初のブロードバンドコンテンツ配信サービス「ヒットポップス」(サービス名も社名に同じ)を事業化する。

ヒットポップスは2000年5月に企画会社として設立され、宇宙通信が所有する通信衛星「スーパーバード」を利用しCATVインターネットと接続、大容量コンテンツの配信試験を実施してきた。その結果、IPマルチキャスト技術 (一斉配信に威力を発揮するデータ通信技術)を用いたCATVインターネット加入者への高速動画配信に世界で初めて成功、衛星で地上インターネット網のトラフィック渋滞を 迂回することで、ブロードバンド(大容量)コンテンツを全国一斉に高速配信することが可能となったものである。

1年をかけた実証試験の積み重ねにより、現在、ヒットポップスサービスの受信を予定するCATV事業者は35社以上、インターネット加入者数にして25万世帯を超えた。さらに、CATV事業者のみならず複数のADSL事業者の参加も予定しているとのことである。

また、コンテンツとしては、ブロードバンドならではの特性を活かし、映画や音楽、スポーツ、ゲーム、芸能、コンピュータ、料理や趣味、電子書籍といった多彩なジャンルのコンテンツを配信。3月25日には、サッカーの日仏親善試合をパリから ブロードバンド生中継するなど、スポーツ、コンサートなどのライブや、映画試写会などのイベント中継にも注力してきた。これまでに、このサービスに賛同し コンテンツを提供しているコンテンツプロバイダーは30社を超え、5月までには50社以上の参加が予定されているとのこと。

また、これらコンテンツプロバイダーから提供されたコンテンツを配信するのに加え、ブロードバンドビジネスのパイロットプロジェクトとして、複数のオリジナルコンテンツを提供する。まずその皮切りとして、ブロードバンドに特化したゲームサイト 「ゲッチャ」の運営を開始。これに続き、全国各地の観光情報を動画付きで 楽しむことができる旅行・観光サイト「ヒットツアーズ」(仮称)、加入者自らが情報発信者となり全国に向けてインターネット放送を発信できる「マイ・ヒットポップス」(仮称)、素敵な出会いを動画によって演出する「こひぶみ」(仮称)、アイドル・バンド・漫画家・デジタルクリエータなど、ジャンルを問わずに視聴者参加型のコンテストイベントを実施する「ヒットオーディション」(仮称)など、全く新しいコンテンツが続々登場する予定である。また、東京発のコンテンツ発信のみならず、各地のCATV局が制作した情報や番組を全国向けに発信するサイトも充実させていきたいとの考えだ。

CATVインターネットやADSLサービスの加入者は引続き爆発的な増加を続けており(CATVインターネットユーザー:80万世帯、ADSLユーザー:5万世帯、いずれも2001年3月末の推測値)、ブロードバンドコンテンツに対するニーズは高まっている。 ヒットポップスは、衛星の広域性・ネットワークの柔軟性を活かして今後も積極的に配信拠点数を拡大し、より多くの加入者に大容量コンテンツを配信するネットワークを構築、2001年度には「配信先100拠点、配信対象世帯数100万世帯」、2002年度には「配信先200拠点、配信対象世帯数250万世帯」を達成し、世界最大規模のブロードバンド配信ネットワークを実現する計画だ。

また、ヒットポップスは、単にブロードバンドのインフラを構築するだけでなく、動画や音声といったブロードバンドならではの機能を活かしながら、ユーザ同士が積極的に情報を発信し合うことができる"場"(コミュニティ・スペース)を提供していきたい考え。サイバースペースという「バーチャル」な世界で、ユーザ同士の「リアル」なコミュニケーションを醸成、そのコミュニティに対して情報を提供することで 更なる付加価値を創造する。ヒットポップスは、IT新時代にインフラとコミュニティを提供する「リーディング・サイバースペース・プロバイダー」として、最先端のブロードバンドサービスを積極的に展開していく構えである。

ヒットポップスサービスは日本国内からスタートし、国際衛星「スーパーバード」がカバーするアジア各国についても順次サービスを展開する計画であるとのことだ。(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE