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東芝・松下、シンガポールに液晶製造の新会社を設立

2001/02/23
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がっちり手を組む東芝、松下の首脳陣
●(株)東芝と松下電器産業(株)は、両社出資による低温ポリシリコン液晶製造会社をシンガポールに設立することについて基本合意に達し、東芝の岡村 正代表取締役社長、松下の中村 邦夫代表取締役社長が出席した記者発表会が行われた。

今回の新会社設立に関しての合意は、低温ポリシリコン液晶初の海外展開による同事業の強化・拡大を図る東芝と、液晶の海外生産によるコスト競争力の強化により、液晶テレビや携帯電話への高精細液晶の展開を図る松下電器の目指すところが一致したもの。

新会社は2001年3月に設立される予定で、東芝の低温ポリシリコン液晶技術と松下電器の高速液晶駆動技術(注)を導入し、2002年7月に量産を開始する予定。新会社への総投資額は約1230億円を予定しており、順次生産能力を拡大していき、2003年度中には、月産生産能力5万5千枚(基板サイズ730×920?)の世界最大の低温ポリシリコン液晶向上を実現する計画。

今後液晶の市場はさらに拡大し、2003年には4兆円を超える需要が予測されている。なかでも低温ポリシリコン液晶は、画面の高精細化とともに、部品点数や接続ピン数を大幅に削減できるという特徴から、機器の軽量化や信頼性の向上に適しており、ノートPC、携帯電話やPDAなどのモバイル機器、液晶テレビへの需要が急増すると期待されている。さらに、低温ポリシリコン液晶は有機ELパネルの実現に当たって、最も重要な技術としても期待が高まっている。

両社はこの新会社を設立することで拡大する市場の要求に応えていくとともに、低温ポリシリコン液晶の市場での優位性をさらに強固にするため、両社間での共同開発、共同調達および、製品の相互補完についても今後検討をしていく。

(注)松下電器の開発した高速液晶駆動技術はOCB方式といい、高速応答(約3msec)、広視野角でありながら、製造プロセスは従来方式と同じという技術。

■新会社の完成時概要■
会社名:未定
設立:2001年3月(予定)
代表者:未定
所在地:シンガポール共和国(タンピネス地区)
資本金:約500億円
出資比率:東芝67%、松下33%
従業員:約750名
製品:低温ポリシリコン液晶
生産能力:月産5万5千枚

(Phile-web編集部)

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