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★ ★ ★山之内 正のCESデジタルAVレポート(追伸)★ ★ ★

公開日 2001/01/10 09:43
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マイクロソフトブースでは、ホームエンターテイメントの未来像を具体的に提示した(写真右、左とも)
●レポートの追伸として、筆者なりに今回のCESの感想をまとめておきたい。ラスベガスから成田に向かう機内で書いているのだが、10時間近い飛行時間はさすがに長い。米国から日本へ向かう帰路は向かい風なので余計に長いのだ。
 
最初にも書いたが、今回のCESではPC関連メーカーの積極姿勢が目に留まった。なかでも、会場に一般家庭の部屋をリアルに再現し、ホームエンタテインメントの近未来像を具体的に示したマイクロソフトの展示が秀逸で、示唆に富んでいる。個々の技術については検証が必要だろうが、見せ方の創意、ソフトの工夫に感心したのである。
 
同じようなコンセプトの展示は、これまでのいろいろなコンベンションやかつてのCESでも行われていたのだが、いずれも中途半端で、細部を緻密に再現し、ストーリーをしっかり組み立てた今回のマイクロソフトの展示のようなインパクトを与えることはなかった。新技術の紹介という目的は達成しても、その技術を使って、実際のところ何ができるのかを伝えるところまで至っていなかったのだ。
 
この数年、どのメーカーも、ホームネットワークとホームエンタテインメントの融合をテーマに掲げて商品開発を行っている。だが、具体的に何ができるのか、見えてこないもどかしさがあった。
 
今年は、ホームネットワークによって実現する世界が、あらゆる分野で、初めて具体的に提示されることになるだろう。今回のCESには、その実例がたくさん並んでいた。その意味で実りの多い取材であった。

最後に、アレクシスパーク・ホテルで行われたハイエンドオーディオの展示から、印象に残った音について、ひとつだけ触れておきたい。それは、マーク・レヴィンソンが新しく作ったレッド・ローズ・ミュージックのブースで鳴っていた新しいコンポーネント群、なかでもリボンユニットを搭載したコンパクトなスピーカー、Model R3の、驚くほど静寂で、しかも生命感に満ちたサウンドだ。同ブランドで登場したSACDソフトと合わせて、ぜひ一聴されることをおすすめしたい。(山之内 正)

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