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<不定期連載>伊藤竜太の!押しかけ課外授業 ★4★

公開日 2000/12/15 16:16
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●映画ファンのみなさまへ。
映画の在り方がいまふたたび問われています。
暴力シーンや性描写が増えてきたことに対して、映倫が規制を強めるのではなく「自主規制」を強化するようにという要請が出されたりしています。

「自主規制」というと自由が残されていていいような気がしますが、じつはこれが一番おそろしい。批判を受けないように、すべての表現者や出版社etc.がみんな自主規制をはじめて、当たりさわりのないお利口な
作品しか世に出さなくなったら、表現の世界は終りです。

「青少年に悪影響があるから暴力を見せない」という考えは本末転倒です。きちんと見せた上で善悪を教えていくことのほうが、現代社会の中では急務です。

取るに足らない深夜のテレビ番組は論外としても、暴力についての問題提起をテーマにした映画がR15指定を受けるということは、われわれの社会が青少年に対して暴力の是非を教える意志がないということの顕れです。臭いモノにフタをしていても世の中は悪くなるいっぽうではないでしょうか? 少年犯罪の根元が何であるかを社会全体が勘違いしているとしか、私には思えません。

性的シーンに対するモザイクなんか、表現者に対する冒涜であるばかりか、むしろ性に対するゆがんだ意識を増長するだけしょう。
子供と一緒にホームシアターで映画を観るとき、こんなことを少し考えてみてくださいね。(伊藤竜太)

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