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“高品質”Bluetoothの最前線!クアルコム「Snapdragon」最新動向と展望をキーマンに訊く

公開日 2024/03/22 12:10 山本 敦(構成:ファイルウェブ編集部)
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福井 ええ。サムスンさんと「Galaxy S23」発表会や「DreamHack Japan 2023」でコラボしたりと、この1年で色々やりましたね。ファイルウェブさんにも協力してもらって実施したSnapdragon Soundのイベントでは本国スタッフが講師として来日したり、音の聴き比べをやったりもしましたし、そのほかではポタフェスにも出展しました。

そしてつい先日には日本上陸1周年イベントも開催し、実際にSnapdragon Insidersメンバーの方を現地観覧にお招きした上でオンライン配信も行いました。

Snapdragon Insiders 日本上陸1周年記念イベントの様子

そのイベントではInstagramにもアカウント(snapdragon_jpn)を開設したことを発表したんです。これからはXに加えてインスタでも色々と情報を発信していきますし、公式サイトもリニューアルを予定しています。Snapdragonの日本語での情報をフォローしやすい状況を広げていきますので、ぜひ皆さんにチェックしてみていただきたいですね。

山本 ファンの皆さんは、Snapdragonのどんな部分に興味を抱いているのでしょうか?

福井 Snapdragonの能力が活躍するのは、音、カメラ、ゲームなどいろいろありますが、アンケートをとってみたところ、面白いことに、各分野がちょうど同じくらいの割合になったんです。幅広くSnapdragonへの関心をお寄せいただいているのかなと受け止めています。

さらに、今年は「Snapdragon X Elite」というPC向けの新しいプラットフォームも加わってきます。情報感度の高いインフルエンサーの方を中心に、こちらも非常に注目していただいている部分ですね。

山本 なるほど。今年はもしかすると、PC系のイベントが開かれる可能性もあるのでしょうか。楽しみです。

着実に広がる「Snapdragon Sound」。シャープは独自の特集ウェブサイトも公開



山本 続いてオーディオ分野について質問させてください。日本でもスマホ端末メーカー各社が対応モデルを投入したり、最近ではボーズがオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン「Bose Ultra Open Earbuds」を発売したりと、Snapdragon Sound対応製品が着実に増えています。海外や日本でのSnapdragon Soundの普及状況はどんな感じなのでしょうか?

Bose Ultra Open Earbuds

大島 2021年3月にSnapdragon Soundを発表して以来、直近では全世界で90社以上が採用しており、145台以上の対応デバイスがすでに存在しています。シャープさんやソニーさん、オーディオテクニカさんなど、日本のブランドさんもたくさん参画していただき、シェアも高い状況です。

クアルコム 大島勉氏


日本のオーディオビジュアルファンにも馴染み深い様々なブランドがSnapdragon Sound対応製品を展開中

福井 ちなみにシャープさんはSnapdragon Soundを特集するウェブサイト(https://k-tai.sharp.co.jp/accessory/sound/)を独自に公開されていたりもします。スマートフォン「AQUOS R8 pro」「AQUOS R8」だけでなく、オーディオテクニカさん、デノンさん、シュアさんの対応イヤホン/ヘッドホンの紹介だったり、ドルビーアトモスやハイレゾの解説だったりと、自社以外の情報も幅広く発信している点が非常に面白いなと。我々としても、とてもありがたいです。

山本 なるほど。イヤホン向けのSnapdragon Soundチップには、「Qualcomm S7 Pro/S7」や「Qualcomm S5」「Qualcomm S3」がラインナップされています。最新の「S7 Pro/S7」搭載製品はこれから登場してくるのかなと思いますが、「S5/S3」対応製品の採用状況はどうなっていますか?

モバイル向けには「S7 / S5 / S3」の3ラインナップを展開

大島 先ほども名前の出たボーズさんなどに加え、ゼンハイザーさんやデノンさんなどからも採用製品が展開されています。Noble Audioさん、finalさんなど、品質に対して厳しい目を持つ日本のオーディオファンが好きなブランドにも採用されているのも非常に大きいなと感じてますね。

山本 例えばaptX Adaptiveでのハイレゾといった音質面だけでなく、センシングであったりヘッドトラッキングであったりとイヤホンが多機能化しているなかで、Snapdragonに対する信頼感というのがメーカー・ユーザー双方にとって高まっている気がします。そういった、イヤホンの進化を支えている実感のようなものはおありですか?

大島 そうですね。例えばBluetoothの接続安定性ひとつとっても、基礎の基礎レベルから我々は多くの知見を持っていますので、端末メーカーさんにはそうした部分をうまく活用いただけているかなと思います。Snapdragon Sound対応製品どうしでちゃんと接続できるのはもちろん、片方がSnapdrgon Sound非対応であっても問題なく接続できなければいけませんし、端末の種類も様々です。また、性能が良いからといってバッテリー消費も抑えないといけません。実は結構難しいんですよ。

山本 先ほどのシャープさんの特集サイトもそうですが、Snapdragon Soundの広がりは個人的にもかなり感じている次第です。クアルコムさんとしても手応えを感じていらっしゃいますか?

大島 2022年から日本でも対応製品が店頭に出回り始めて、実際にユーザーさんの反応を見て、自信になった部分はありますね。

Snapdragon Soundの優位性とは?



山本 ゲーミングでの低遅延性にもSnapdragon Soundは優位性がありますよね。そうした部分への期待はどうでしょう?

大島 はい。例えば中国系のスマートフォンメーカーさんから、低遅延に期待して採用していただいているケースもあります。加えて、日本オーディオ協会のハイレゾワイヤレスロゴを取得している点にも関心が高いですね。うまくシナジーを出せているのかなと。

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