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PRわずか数年でシェア上位に

【対談】評論家も太鼓判の「Polk Audio」のスピーカー。VGP2023 SUMMERで「金賞」多数の理由は?

公開日 2023/09/06 08:00 大橋伸太郎/生形三郎(構成:編集部 平山洸太)
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Reserveシリーズは音が「濃い」



大橋 Reserve、Signature Elite、Monitor XTの3ラインそれぞれで、音の違いはどうでしょうか。ちなみに、本国ではこの上にLegendシリーズというものがあります。だからReserveは最上位ではないのですが、それでも3つのラインあるとユーザー方は、どれがいいのかなと悩んだりすると思います。

生形 どれも価格以上の音質、というように感じます。ですが、やはり先ほど申し上げたような、独自技術がふんだんに使われているReserveが、最もサウンド的に特徴あるというか、味わい深いものになっていると思うんですよね。

左から、「Monitor XT」「Signature Elite」「Reserve」シリーズ

Reserveはスペイン語だとReserva(レゼルバ)で、熟成したワインの意味がありますよね。まさに美味しいワインを表しているような、本当にコクのある旨味のある音が実現されています。また、リングラジエーターで高精細な超高域を再生できるところと、細身の筐体のシルエットを生かして、広い音場再現とか透明感のある音場再現をします。

Reserveシリーズに搭載されているリングラジエーター

特にボーカル帯域で、音が訴えかけてくるような前に飛んでくるような感じもあります。そういった迫る表現を両立しているところが、全部のシリーズに共通していると思うんですよね。それがどんどん味わい深くなっていくのが、3シリーズの中での違いなのかな、というふうに自分は認識していますね。

大橋 濃いですよね、音が。Reserveはフロア型のR600、それからブックシェルフのR200も聴きましたが、どちらにしても対容積比で、これだけ低域の量感が出るってそうそうないですね。もっと大型のスピーカーでないと出せないような厚い低域が出ます。

そういった意味でR600は、多少設置の工夫はいるかもしれない。とはいっても、出ないものを無理して出すよりは出ているものを抑えるのが簡単ですから、そういった点でも逆に鳴らしやすいと言えます。

「R200」

たとえばジャズを聴くと、ベースはすごく太くなりますが、でも音程が非常に明瞭なんですね。ダウンファイアリングのバスレフポートで、ベースは太くなるけど音程が明瞭に聞き取れる。ドラムソロのバスドラとかスネアの打撃も、非常に引き締まって明快であると言えます。

一方でボーカル、人間の声の帯域はすごく明瞭で、前に飛んでいきます。これアメリカのスピーカーの特徴で、映画館や劇場で鍛えられているから、いかに声が飛んで隅々まで聞こえるかということが大事なんですよ。これができないスピーカーは駄目というのがアメリカのスピーカー。その良い面をちゃんと持っています。かといって無法図な音になる一歩寸前で留まるというバランス感覚を持っているのが、Reserveの良さだと私は結論づけました。

R200も同様です。R200の方がやはりコンパクトですが、低域の量感は十分。だからユーザーと使用条件によっては、R600よりもR200の方が、むしろ使いやすいかもしれませんね。


生形 さらに言うと、Reserveシリーズはサイズやモデルによって、世界観をどんどんステップアップさせていっていると感じています。一般的に同じシリーズであれば、同じ方向性でまとめていくのが普通だと思うのですがReserveは少し異なっている印象です。

たとえば一番大きいR700では、ものすごい低音の厚みと言うんですかね。これをシリーズの頂点として持ってきたのかという驚きがありました。そして、R100やR200とかのブックシェルフは、ブックシェルフの世界観があるんです。根底にあるものは同じだけどもシリーズで共通させるのではなく、その世界観をどんどん大きくしていくような、ステップアップしていった時の広がりというところが、ものすごくうまく作られているのかなと思います。

大橋 同じ名前を冠したラインナップでも、決してサイズの違い、格の違いだけじゃなくて、表現性にそれぞれ向いているものが違うということですよね。同じD&Mが取り扱っている、B&Wの800系に通ずるものを感じました。サイズの違いだけじゃなくて別のスピーカー。だから一番小さいスピーカーは一番表現力が小さいかというと、そうでもない。そのスピーカーなりの表現域がある。

高いコスパが魅力のSignature Eliteシリーズ



大橋 次に、Signature Eliteについてはどうでしたか?

生形 性能と価格を見ていくと、Signature Eliteが実は、一番お買い得なラインなのかなと思っています。独自技術のパワーポートを持っていたりとか。そしてトゥイーターも一般的なドームトゥイーターですが、40kHzくらいまで伸ばしていて、ものすごく高精細な表現ができるものを搭載しています。


大橋 ユニットの素材はミッドがポリプロピレン+マイカ、高域がポリエステルですね。そして、背面のパワーポートに円錐状のガイドがついている。だから、Reserveとはまた別のアプローチから生まれたスピーカーだといえます。

生形 円錐状のディフューザーは、置きやすさに大きく貢献していると思いますね。通常の円筒形のバスレフポートでは、リアやフロントに配置されていたりすると、どうしても設置の状況によって特性が大きく変化してしまいます。パワーポートは全部背中に背負っていたりして、独特の形状もかっこいいなと。扱いやすさもありつつ、色々なテクノロジーが凝縮されたオリジナルユニットで素敵な音が再現されている。

そういった理由もあって、コストパフォーマンスというか、お買い得感が一番すごいと個人的に思っています。これからオーディオを始めたい、スピーカー始めたいというユーザーに、安心して勧められるというか。

背面に配置されたパワーポート

大橋 音像表現の明快さみたいなことで言うと、Signature Eliteは、Reserveよりも印象的なスピーカーだと思います。低域もすごく厚く出るんですよね。バスレフに由来する風切り音ノイズとかも、パワーポートを使って抑える工夫をしっかりしているんですね。

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