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デジタルカメラグランプリ2021受賞インタビュー

お客様との距離を一気に縮め、飛躍を期す渾身の一作「LUMIX S5」。市場創造への意気込みをパナソニック山根氏に聞く

公開日 2020/12/02 10:22 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■お客様に寄り添う進化を定期的に提供する

―― 動画性能についてはLUMIX「GHシリーズ」の人気が高く、とりわけ「LUMIX DC-GH5」は本格的な動画制作にも対応したモデルと高く評価されています。

山根 S5は動画のトップランナーと言わるGH5より小さな筐体に、4倍のセンサーサイズとなるフルサイズの世界を凝縮したモデルとして、いろいろな方面からご評価いただいています。取り回しの面からは、マイクロフォーサーズに慣れたお客様にも十分お使いいただけるフォルムと重量感です。驚いたのは、S5を気に入って見に来られたところ、改めてS1シリーズに関心を持たれるお客様がいらっしゃることです。

マイクロフォーサーズにももちろん、継続して力を入れて参ります。フルサイズは大判で表現の自由度が広がりますが、マイクロフォーサーズはシーンを正確に撮影する上では、実はサイズバランスが一番高い。シナリオに沿わないイベントなどの動画撮影や収録はマイクロフォーサーズの方が使いやすく、一方、しっかりとシナリオを組み、ボケ表現をされるような撮影にはフルサイズが適し、明確に用途が分かれるのです。

APS-Cに比べるとフルサイズとの差が大きいことから、使い分けではそのキャラクターが如実に表れます。ターゲットとするクリエイターの方々は大変ディープで、撮影スタイルは私たちが想像する以上に多種多様ですから、何かの用途に特化したものを複数使いする人が多いですね。それぞれの用途に合わせた、より琴線に触れる機能・性能を進化させて提供していきます。

―― 品薄の状態が続いているようですね。

山根 導入時には予想を上回る予約をいただき、コロナの影響による部材調達の関係などからバックオーダーを抱えながら進めています。長く使っていただくモデル、長く販売していただくモデルとして、その魅力、特長をしっかりとお伝えすると同時に、鮮度を維持するために、ファームアップを含めたお客様に寄り添う進化を定期的に提供して参ります。

これまであまり気づかなかったのですが、「認めてもらうものをつくらなければ」との思いが強く、せっかく市場に送り込んだ商品も、お客様に実際に手に取っていただくまでに時間がかかっていました。しかし、S5を発売したことで皆さんに手に取っていただき、情報に能動的に接していただく機会が圧倒的に増えています。

「パナソニックに息づくDNAがS5の商品化へとつながっています」(山根氏)

LUMIXを使用されたお客様が、どのような点に満足され、喜ばれているのかをうまく言葉にできず、伝えきれていないところがまだまだありました。しかし、注目度の高いS5の登場を機に、発信力も高めていくチャンスです。今、LUMIXのミラーレスカメラを使用するユーチューバーが“パナチューバ―”と呼ばれ、多くのユーチューバーにLUMIXが大変高く評価されています。彼ら彼女らの声も、S5を生み出してくれた力になったのではないかと思います。

―― 総合金賞のS5以外にも数多くのモデルが受賞しています、中でも話題のVlog(ブイログ)を提案して人気を集めるのが「LUMIX DC-G100」です。

山根 グローバルでのVloggerの急速な増加はいろいろな調査からも把握しており、従来なかったそうしたお客様にミートするカメラをつくりたいとの想いを結実させたのが「G100」です。8月発売のタイミングにコロナ禍による外出自粛が重なり旅行客が激減するなど、一時は「これは大変なことになった」と心配しました。しかし、旅に出なくても、日常を撮って共有する文化が巣ごもりで拡大し、多くのお客様がG100に関心を持っていただき、ポテンシャルの高さを確認できました。世の中の人の働き方や生活の仕方そのものが変わりつつありますが、映像を撮って、使って、楽しんで、共有する世界はこれからも絶対に広がっていくと確信しています。

Vlogの時流をいち早く捉えて人気を集める「LUMIX DC-G100」。シーンに応じた臨場感ある音声記録を実現し、企画賞を受賞する

Vloggerが音質にもこだわることから、「OZO Audio by Nokia」を新たに採用して臨場感あふれる音声記録を実現し、指向性も自由に変えることができるようにしました。G100が今後、どのように進化してくか、私たち自身も大変興味を持っており、これからお客様と一緒に育てていくのがとても楽しみです。

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