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<山本敦のAV進化論 第188回>

5Gは8Kで本領発揮。「AQUOS R5G」開発陣に聞いた新最上位スマホのこだわり

2020/04/16 山本 敦
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モバイルゲームも快適に楽しめる最先端のパフォーマンス設計

AQUOS R5Gにはクアルコムのモバイル向け最新SoCである「Snapdragon 865 5G Mobile Platform」が搭載されている。

CPU/GPUの処理パフォーマンスは約25%向上しているが、5G通信時には4G LTE通信時よりも多くの熱が発生する。このことを踏まえて、AQUOS R5Gでは内部の熱を効率よく逃がすための放熱設計にシャープ独自のノウハウを投入した。詳細をパフォーマンス担当の田邊氏に聞いた。

5G通信時に最も大きな熱源になるSoCをクーリングするため、ICチップの裏側に高純度銅ブロックを配置して、さらに周囲に銅シールドを施すことによって熱を素速く逃がす構造を採用した。これにより最高性能持続時間がAQUOS R3比較で約25倍も伸びて、例えば処理負荷の高いゲームコンテンツも長時間に渡って安定したプレイが楽しめるという。

SoCが発する熱を効率よく逃がすために、間に基板を隔てたCPU/GPUの背面に銅ブロックを配置した

CPUの裏側に銅ブロックを配置して熱を効率よく逃がす技術は、シャープがモバイルやパソコンのほかにも、様々なカテゴリーのエレクトロニクス家電を手がけてきたノウハウを土台に生まれたものだという。田邊氏は「金属板に伝わる熱量を従来構造比で2倍にできることから、4Wの大きな電力をCPUに与え続けた場合も、AQUOS R3に比べて温度を約20度も下げられる」と語っている。

端末の充電時に発する熱は、2台の充電用ICチップを内部に載せてチャージ中に発生する熱を逃がす「パラレル充電」を採用。こちらもAQUOS R3との比較で約40%も発熱を抑えられるメリットがある。

RAM(メインメモリ)にはアクセス速度が従来よりも約30%速い、最新規格のLPDDR5 高速メモリを12GBと気前よく積んだ。ROM(ストレージ)についても、5G通信を活用したデータ書き込み時のボトルネックにならないように最新高速規格のUFS3.0+WirteBoosterを採用する。

ディスプレイのハイフレームレート表示を実現するためには、120Hz対応のPro IGZOディスプレイのパフォーマンスを、内部の放熱設計を高めながら十分に引き出す設計に腐心してきたと田邊氏が述べている。

AQUOS zero2はゲーミングスマホとしても際立っている端末だが、AQUOS R5Gもゲーム体験の快適さを重視した端末だ。その一例として「AQUOS便利機能」の中、ゲーミング設定のメニューに「パフォーマンス」を追加してディスプレイの解像度を任意に切り換えられる機能を設けた。

選べるパフォーマンスは3段階。「高精細表示を優先する」は端末のネイティブ解像度であるQuad HD+表示となるが、加えて「バランス=フルHD」と「軽快動作を優先する(HD画質)」の3つが選べる。Pro IGZOの120Hz駆動の実力を引き出しながら快適なゲーム操作が楽しめる。

「AQUOS便利機能」の中にゲーミング設定が設けられている。パフォーマンスを選択すると、画面の解像度を3段階で切り換えられる

国内でもこの春から5Gサービスが開始され、「最初の5Gスマホ」にどれを選ぶべきか迷っている方も多いだろう。商品企画を担当する田中氏は「5G時代のビジュアルコミュニケーションの価値」について改めて重要性を説きながら、AQUOS R5Gがこれを最大化できる高品位な動画・写真を「撮って・見る」ことの両方を極めたスマホであることを改めて強調した。

時代の最先端技術を、人の手に心地よく馴染むように、完成度を練り上げてきたシャープ。その経験値がAQUOS R5Gにも活きている。5G時代のモバイルエンターテインメントも長く楽しめるスマホになりそうだ。

(山本 敦)

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