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21対9ディスプレイを搭載

<IFA>ソニー「Xperia 5」開発者インタビュー。「本体はスリムに、感動体験には妥協なし」

公開日 2019/09/08 07:00 山本 敦
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よりマニアックにこだわりたい場合はマニュアルで設定項目を細かく変えることもできる。独自のユーザーインターフェースもソニーモバイルのチームが、ソニーで業務用デジタルシネマカメラ“CineAlta”を手がけるチームと一体になって完成させたものだ。

シネマプロ撮影時の画質は4K/HDRに固定されており、フレームレートは24fpsと30fpsから選択できる。H.265/HEVCのフォーマットで記録されたファイルをXperiaのSDカードに保存して、USBタイプのSDカードリーダーに装着した状態でブラビアなど4K/HDR対応のテレビに読み込ませればHDR高画質で視聴できる。

このプレミアムな体験がXperiaシリーズの多くの端末に広がることはとても歓迎すべき出来事だと筆者も思う。ただ、課題はアプリの名前に“プロ”が付いていることからも、一見するとマニアックで敷居の高い機能のように思えてしまうため、一般のスマホユーザーが気軽に楽しめる機能であることが気付かれないということも考えられるのではないだろうか。シネマプロの魅力を広く伝えるために、ソニーモバイルが現在取り組んでいる施策について間下氏、森田氏にうかがってみた。

「映像クリエイターのChris Caldwell氏、Zeek Earl氏が、Xperia 1のシネマプロだけを使って撮影したショートフィルム『TASTE』がオーストラリアの国際映画祭に出展され、高い評価を獲得しました。現在YouTubeでもその映像をご覧いただけます(動画)。ひとつはプロのクリエイターの方々とのコラボレーションを通じて、本格派のシネマプロの実力を多くの方々に体験していただくための活動に力を入れています」(間下氏)。

オーストラリアのシネフィルで公開されたXperia 1のシネマプロで撮影されたショートフィルム「TASTE」がYouTubeからも見られる

「北米や香港、ロシアで映像製作を学んでいる学生の方々を対象としたフィルムコンテストを開催して、Xperia 1のシネマプロを体験していただく機会を設けてきました(US 学生ショートフィルムコンテスト優秀作品)。予想を超えた魅力的な作品が次々と生まれて、私たちもあらためてシネマプロが持つ豊かな可能性を知ることができました。同様の試みをぜひ日本でも実現したいと考えて、現在検討を進めています」(森田氏)。

プロフェッショナルや映像に関心の高い学生とシネマプロの潜在的な可能性を開拓していく試みとともに、今後はソニーのCineAlta開発チームや、コンテンツメーカーであるソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが築き上げてきたファンによるコミュニティに、ソニーモバイルもシネマプロを携えて積極的に関わっていくことで、機能の強化や細部のブラッシュアップを丁寧に図っていきたいという考えを間下氏が語ってくれた。

Xperia 5にはXperia 1のシネマプロに関連する機能が一切間引きすることなく搭載されている。日本でXperia 5が発売される頃にまた筆者もシネマプロをじっくり使ってみたいと思う。

ほかにもドルビーアトモス対応を含めたリッチなサウンド体験もXperia 5にそのまま搭載されている。IFAの会場では完全ワイヤレスイヤホンのWF-1000XM3と組み合わせたドルビーアトモスサウンドの体験コーナーも盛況だった。

ドルビーアトモスのサウンドをWF-1000XM3で体験できるコーナーも人気

ソニーモバイルのありったけを詰め込んだXperia 5が、また多くの人々にスマートフォンによる感動体験を呼び覚ますことになるだろう。

(山本 敦)

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