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「ワンパターンでもWOWと繰り返す」

<IFA>ソニー平井CEOに聞いた「AI」「IoT」「ホームオーディオ」「音楽配信」

公開日 2016/09/03 06:00 編集部:風間雄介
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−−−平井さんは時計マニアと伺っている。時計マニアの目線から、スマートウオッチについてどう考えているか。

いまは「FES Watch U」を装着している。これはファッション的な商品でスマートウォッチではないが、周りを見渡しても、本当に大ヒットした商品は出てきていないな、という印象だ。

バッテリーライフ、機能などのバランスで刺さったものが出ていないように思う。もちろんソニーもスマートウォッチを出していて、それも続けていくが、「スマートウォッチとは違うけどプラスアルファの機能が付いている」というものもやっていきたい。

−−−プレスカンファレンスでの発表が骨太になってきた感がある。「感動」と「ラストワンインチ」の関係についてくわしく教えて欲しい。

骨太になったというのはありがとうございます(笑)。

「ラストワンインチ」というメッセージは、今年の経営方針説明会から使っているが、それ以来毎回伝えている。

というのは、いまクラウドにいろいろなものが移って、実際に手元で使う機器はコモディティ化して価値が無いと言われているが、私は常々、それに異を唱えてきた。実際に手にするときの質感や美しさ、使い勝手などには必ず価値があるはずだ、という考えからだ。

…ということを説明すると2分くらいかかってしまうので、それをもっと短くできないかと昔から考えてきた。

それで経営方針説明会の打ち合わせをしている際、皆であーだこーだと意見を出し合っていたのだが、そのとき、ふと思いつきで「ラストワンマイルじゃなくてラストワンインチはどうだろう」と言ったら、みなが「平井さん、それ良いですね」と。最初はおべんちゃらかと思ったが(笑)。あと「テレビはワンインチよりもっと離れているじゃないですか」とかへりくつをこねる奴もいたけど(笑)。

ラストワンインチの誕生秘話を語る平井CEO

とにかく、ラストワンインチで起きるものが感動モーメントで起きるもので、それに価値があると考える。

これまで感動やWOWなどと繰り返し言ってきて、同じメッセージを発信してきたことで、かなり定着してきた感がある。

とにかく副社長の頃から、ずっと考えていた。WOWとか感動とか、ずっと考えていることなので、ワンパターンと思われてもいいから、今後も言い続けていきたい。

−−−イギリスでLifespace UXを展開する。これまでの評価と、欧州でどう展開していきたいのかを教えて欲しい。

販売台数については公表しない方針だが、社内での期待を十分超えているとお伝えしたい。日本では品切れを起こしてしまったほどだ。超単焦点プロジェクターについては、プロジェクションの部分を熊本で作っていた関係で、ますます品切れに拍車がかかっていた。今後もお客様の反応を見ながら、順次展開地域を拡大していきたい。

−−−社長直轄事業を続けている。今後どう育てていきたいのか展望を教えて欲しい。

みなさんが期待する「ソニーらしい製品」に応えることが出来てきたかな、という印象だ。SAPで出している製品群についても、「イノベーションを大切にしているソニー」ということを出していきたい。

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