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開発思想や今後の展開も明らかに

JH Audio ジェリー・ハービー氏が語る新イヤホン「Siren Series」の“革新と継承”

公開日 2015/12/26 11:22 山本 敦
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実はケーブルにも変更点があった

−− ケーブルにも変更点があると聞きました。

JH:そうです。それぞれのモデルにはMoon Audioのケーブルを使っています。芯線は銀メッキ処理の銅線です。イヤホン側は内部にテフロン加工処理を施したアルミニウムコネクターです。内部に配置した4本のピンには金メッキ処理の高純度なベリリウム銅を採用しています。プロフェッショナル仕様なので、イヤホン側コネクターにはロック機構が付いていますが、前の世代よりもワッシャーの強度を高めています。

プレーヤー側はストレート型のコネクターを選んでいます。ケースを付けたポータブルプレーヤーやスマートフォンにも装着しやすいよう、コネクターに段差を付けました。ケーブルを変えたことによる音質の変化はほんの僅かなレベルだと思いますが、敢えてそれを言葉で語るなら、よりスムーズな音に整ったと言えるかもしれません。

ここまでで強調しておきたいことは、シェルから「STEEL Tube Wave Guide」の極細ステンレスチューブ、そしてケーブルまでJH Audioのイヤホンは全てのパーツを手作業により丁寧につくっているという点です。

音道孔の内周に見えるのがステンレス製のチューブ・ウェーブガイド。全てのパーツを手作業で製作しているという

−− JH AudioのイヤホンがBAのマルチドライバー構成を追求する理由とは何ですか?

JH:答えはとてもシンプルです。ひとつのドライバーで、あらゆる音楽を正確に効率よく再現することは不可能だからです。各帯域専用のドライバーを上手にマッチングさせたマルチドライバー構成とすることで、破綻のないサウンドを再現することはもちろん、よりワイドな周波数特性、ダイナミックな表現力、低歪みを実現できる余裕が生まれます。


−− 全モデルに共通して独自技術の「FreqPhase」が搭載されていますね。

JH:「FreqPhase」は複数のドライバーから出てくる低・中・高域の音が、耳に辿り着くタイミングのズレを解消するためJH Audioが独自に開発して特許を取得している技術です。ドライバーから出た音は、ステンレス合金製の「STEEL Tube Wave Guide」を通って0.01ms以内に耳に届きます。聴感上のバランスが非常にフラットでオープンな音場再生が可能です。

全モデルに共通するもうひとつの特徴は、ケーブルのインラインに搭載された低域調整機能です。ユーザーが0〜+13dBの範囲で低域を調整できるユニークなカスタマイズ機能は、新製品になっても変更を加えていません。

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