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第一弾USB-DAC「UDA923BF」まもなく発売

「ハイレゾだけがハイファイじゃない」 − 新ブランド「KEY Sound」のねらいを開発責任者・長谷川氏に聞く

編集部:風間雄介

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2011年07月11日
TANGENTやマイクロシャーなど、多くの海外ブランドの輸入販売を手掛けるポーカロ・ラインが、独自の新ブランド「KEY Sound」を立ち上げた。

その第一弾製品がUSB-DAC「UDA923BF」。先週当サイトのニュースでお伝えした製品で、プロトタイプは今春のヘッドホン祭やハイエンドショウトウキョウで出展されていたので、概要をご存じの方も多いだろう。

KEY SoundのUSB-DAC「UDA923BF」

出力端子はステレオRCAのみと非常にシンプル

■「40kbpsのデータをハイファイで再生したかった」

この製品のスペックでまず興味を引かれたのは、決して安価とはいえない製品でありながら、48kHz/16bitまでしか対応しておらず、96kHz/24bitや192kHz/24bitといった、いわゆるハイビット/ハイサンプリングレート(ハイレゾ)音源をそのままのフォーマットで再生できないことだった。

昨今ではハイレゾ対応のDACチップはわりと身近になっており、製品にハイレゾ再生機能を実装することはそれほど難しくないはず。ポーカロ・ラインの村山社長に、なぜ48/16までしか対応していないか尋ねると「実はそこにも、開発責任者のこだわりがあるのです」と言う。

村山氏によると、KEY Soundの開発責任者である長谷川邦弘氏が、今回の新製品を開発したのは「40kbpsのインターネットラジオのデータをハイファイで聴きたい」と考えたことがきっかけだったのだと言う。

192kHz/24bitのハイレゾ音源ともなると、数Mbpsのデータ量は当たり前。そこから比べると、40kbpsという数値はゼロが3つ少ない「超」がつく低ビットレートだ。これをハイファイオーディオとして再生しようという発想は、ふつうのオーディオの常識では考えにくい。だが、よくよく聞いてみたら、長谷川氏は複数のオーディオ関連メーカーで数十年の長い経歴を持つエンジニアなのだという。

そういうバックボーンがある方が「40kbpsのハイファイ再生」をあえて謳うからには、それだけの理由が背景にあるはずだ。そう考え、さっそくKEY Soundの長谷川氏にインタビューをオファー。新ブランド設立への思い、第一弾製品の特徴を聞いた。

■「とにかく音の出るものを仕事にしてきた」


KEY Soundの開発責任者、長谷川邦弘氏
長谷川氏はいくつかのオーディオ機器メーカーを渡り歩いたエンジニアだが、その経験が今回のKEY Soundのコンセプト、音作りに強く反映されているのだという。まずは長谷川氏にこれまでの経歴を語っていただいた。

「学生の頃からオーディオに興味があって、オーディオが趣味だったわけですね。それがベースにあるものだから、仕事でもとにかく音の出るもの、オーディオ畑を歩んできました」。

そのベースにあるのは、子供の頃にラジカセを買ってもらった想い出。そこで音の楽しさに目覚め、その後、学生時代にシステムコンポを購入してから「完全にハマってしまった」のだという。

エレクトリや赤井電機で業務用機器の設計を手掛ける

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