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公開日 2025/07/29 12:19
ディナウディオやソナス&マッキントッシュの専門ブティックも

【上海ショウ】高級家具の百貨店内にある“ハイエンド・オーディオブティック”。上海のオーディオショップを訪ねる

栗原祥光

オーディオ機器は専門店で買うものと思いきや、上海は少し事情が異なるようだ。上海月星家居広場という大型百貨店の中にある、“ハイエンド・オーディオブティック”とでも呼びたくなるショップたちを見てきたのでご報告する。



上海市街にある大型百貨店「上海月星家居広場」


2000年4月に上海市北西部にオープンした上海月星家居広場は、その名のとおり10万平米の敷地に様々なブランドのテナントが入った家具の百貨店である。入っているブランドはミドル〜ハイブランドが中心。机や椅子といった家具だけではなく、さまざまな家電も販売している。


ファーウェイなどスマートホーム関連のブランドも多く、家に関するほぼ全てが上海月星家居広場で揃う、ハイグレードな百貨店であるようだ。日本のTOTOやドイツのジーメンスなども店を構えていた。



上海月星家居広場の店内。さまざまな家具や家電のブランドショップが軒を連ねている




飛騨高山の木材を使ったショップ


オーディオを取り扱う店舗は、4Fの家電エリアの一角にある。一角といっても一般的な日本のオーディオ店より遥かに広い。


驚いたのが、百貨店の高級ブティックのように「フォーカル&ネイム」「ソナス・ファベール&マッキントッシュ」「ディナウディオ」と、ブランドごとに専門ショップの形式が採られていたことだ。



Focal Powered by naimのブティック 




ソナス・ファベール&マッキントッシュの試聴室。メインスピーカーは「IL CREMONESE」




ディナウディオのショップ



日本で言えば、KEFやバング&オルフセンのブランドショップに近いだろうか。複数のブランドの大型店舗が並んでおり、さながらウィンドウショッピングのように歩き回りながら欲しいオーディオを探すことができるのだ。


オーディオブランドが自ら専門店を開設し、ブランドイメージをグローバルに一元管理する。これはいまのハイエンド・オーディオの販売スタイルのトレンドでもあるようだ。


顧客がどうしても、という場合に限ってリスニングルームに他社のアンプを持ち込むことはあるそうだが、たとえば「ソナス・ファベール&マッキントッシュ」のショップでは、基本的にソナス・ファベールを鳴らす時は、マッキントッシュのアンプを組み合わせるという。



最も大きな試聴室の様子。30畳はゆうにありそうだ




最も小さな試聴室。部屋のサイズに応じて製品のグレードも分けられているようだ


上海にヘッドオフィスを持つディナウディオの大型ブティックも設けられており、試聴室にはトップグレードの「Confidence」も飾られていた。さらに、日本人デザイナーの芦沢啓治氏と家具メーカー・カリモクとコラボレーションしたブックシェルフスピーカーもショーウィンドウに展示されていた。



ディナウディオのメイン試聴室




カリモクとコラボしたディナウディオのブックシェルフスピーカー


もちろん、その他のブランドも展示・試聴・購入可能だ。アキュフェーズやファイン・オーディオなどを多く並べたセレクトショップのようなエリアもあった。



ウィルソン・オーディオやタンノイなどさまざまなブランドを揃えたセレクトショップ


それにしても、ブランドブティックを含めて、いったいいくつ試聴室を用意しているのだろうか……。少し案内してもらっただけでも大小合わせて10以上はあっただろう。


さらに驚くのは、これら試聴室に置かれているテーブルやソファ、ライティングまで上海月星家居広場で揃うということ。


パートナーと共に家具選びするついでに、一緒にオーディオ店に入り、綺麗なリスニングルームで好きな音楽を聴きながら、「我が家のリビングもこうしたい」と夢を膨らませる。オーディオに詳しくない人にとって、これほど良いファーストタッチポイントはないだろう。




DALIやエソテリック、MOONなどを組み合わせた試聴室


以下は私見だが、日本のオーディオは理論優先で音楽と対峙する傾向が強く、他人を部屋から排除する傾向がある。だが、パートナーや家族とともに音楽のある豊かな生活を提供するというのも、オーディオの大きな役割である。


また中国では、友人を家に招くホームパーティーの文化があるそうで、友人とともに楽しむ機会も多いのだろう。この店舗や上海ショウの様子を見ながら、日本とはまた違うオーディオ需要のありように思いを馳せた。


上海月星家居広場に訪問した日、新店舗がオープンするというのでそのオープニングパーティにもお邪魔した。


「名線名声」というそのお店はアクセサリー専門店で、高級ケーブルのみを取り扱っている。オヤイデやフルテックといった日本ブランドの名もあった。フランコ・セルブリンのスピーカーをメインとした試聴室も用意され、様々なケーブルがテストできるという。



「名線名声」のオープニングイベント。2匹の獅子(?)が開店を祝うのは中国南部のスタイルだそう




ショップで取り扱われているアクセサリー。日本ブランドの名も見える


店主のアンディさんによると、取り扱う製品はミドルレンジからハイエンドだとのこと。それは同フロアにある他のショールームの商品レンジと合わせているからだという。


高額な家具を買い求めにくるお客さんの需要に合わせて、ハイエンドなオーディオショップを展開する。そこからさらにケーブルやアクセサリー専門店にも足を伸ばしてもらう。そのうち店内ではパートナーと共に、このケーブルが云々という会話が行われるようになるだろうと思うと、微笑ましく思えた。



「名線名声」店長のアンディさん




「名線名声」のメイン試聴室。メインスピーカーはフランコ・セルブリン「Ktema」。現在はケーブルがメインだが、ラックやその他アクセサリーなどにも注力していくという




「名線名声」の店内の様子。見覚えのあるブランド名がズラリ!


日本においては、過去にはヤマギワのような家具とオーディオをコラボレーションした店舗はあった。だが景気後退の影響を受けヤマギワはオーディオ事業から撤退し、オーディオ機器は専門店かECサイトで購入するのが当たり前となった。


家庭環境や商習慣、経済情勢、オーディオに対する取り組み方など、中国と日本は大きく異なることはわかっている。だがオーディオ購買層の門戸を拡げるという意味において、この上海月星家居広場の取り組みを羨ましく感じた。


 


【お詫びと訂正】記事初出時、「名線名声」さまの店舗名表記に誤りがございました。謹んでお詫び申し上げるとともに、訂正いたします(編集部)


 

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