もしもアップルがテレビを作ったら − いくつかの予想と考察、そして妄想

■iCloudの機能強化も必須

テレビの発売に合わせ、iCloudの機能増強も図って欲しいものです。iCloudのフォトストリームは、現時点で動画に対応していませんが、まずはこの部分の機能追加が必要になるでしょう。

iPhoneやiPadで撮影した動画が自動的にクラウドにアップロードされ、アップル製テレビで再生可能になれば、面倒な転送の手間が軽減し、とてもシンプルに使いこなすことが可能になります。またiOS機器で編集中の動画をDocument in the Cloudに保存しておき、テレビ画面で編集、などといった使い方も考えられます。

少し余談になりますが、もしアップルがテレビを作るのであれば、iCloudの基本コンセプトも再考するべきです。iCloudは現状、一人一アカウントが原則です。スマートフォンやタブレットならこれで良いのですが、複数人が使うテレビではそうは行きません。iPhoneで撮影した妙な写真や動画が、家族や友人に晒されるという公開処刑状態は何としても避けなければなりません。1台のテレビに対して複数のアカウントをひもづける、あるいはログイン時からマルチアカウントを採り入れる、などの工夫が必要になるはずです。

また仕様上の細かなところでは、アップル製テレビにカメラやマイクが搭載される可能性は高いと思われます。アップルはFaceTimeというテレビ電話機能を様々な機器に広げていますが、これをテレビに搭載し、大画面でコミュニケートできるメリットをアピールしてくるのではないでしょうか。

さらにデザイン性を考えたら、他社のようにカメラ部を外付けオプションとするのではなく、iMacがそうであるように、ベゼル部にさりげなく内蔵する方法を採ると考えます。

■アップルがApple TVでやらなかった二つのこと

ここまでは、ある意味で当たり前のことばかりを解説してきました。ここから少し踏み込んで、これまでアップルがApple TVで「やってこなかったこと」について考えてみたいと思います。

アップルがApple TVでやっていないことは、大きく二つあります。一つは「独自アプリへの対応」、もう一つは「ブラウザの搭載」です。この二つは密接に関連し合っているので、一緒に考えてみましょう。