ここではDC3とDC1について、SACD/DVDオーディオを含むピュアオーディオソースでのパフォーマンスを聴こう。
サウンドは典型的なワイドレンジ、そしてぱりっとした爽快感を全域に感じさせる。これは両モデルともだが、前シリーズよりも明らかに定位のシャープさと安定度が増して、どのソースも音像がブレない。
つながりのスムーズな同軸ユニットの感触は上々。きれいな球面波が抜群の滑らかさと空間音場を醸し出しており、高品位ソースになるほど本領が発揮される印象である。
コンパクトモニターのDC1は、サイズを思わせない鳴りのよさと、充実した密度バランスが持ち味だろう。「しばしの音楽が〜バロック・メロディー/アンネ・ソフィー・フォン・オッター」では、ローエンドはあっさりめだが、レスポンスが軽やかで、フォン・オッターの空間を舞うようなメゾソプラノの歌唱や、キレ味爽快なジャズを楽しませる。
また「テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ/ジェーン・モンハイト」ではベースのブンブンとくる弾力感や、ドラムのアタック、ジェーン・モンハイトのテンポのいいボーカルのスイング感もミュージカリティ溢れるものだ。
ハイスペック系ソースでは、音域の広がりが素直に再現され、びっしりと織りこんだような音場の緻密なテクスチャーが聴き所。ギターやピアノの質感がよい。
やや小ぶりながら、「マーラー:交響曲第1番『巨人』/小林研一郎指揮、日本フィルハーモニー交響楽団」はたっぷりとしたスペクトルの広さを肌で感じさせ、ライブ録音らしい生々しい鮮度にも驚く。音が縮こまらず、シンフォニーも十分に楽しめるバイタリティである。 |