HOME > レビュー > JVCのプレミアムウッドコーン「EX-HR11」レビュー − クラシックからアニソンまで様々な曲で実力チェック

岩井喬が実力に迫る

JVCのプレミアムウッドコーン「EX-HR11」レビュー − クラシックからアニソンまで様々な曲で実力チェック

公開日 2014/10/21 15:06 岩井喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

ピアノの音像は立体的でアタック感も自然に表現。低域まですっきりと伸び、ハーモニクスもナチュラルだ。ウッドベースは弦のハリも鮮やかで、ウェットな艶もほんのりと感じられる。胴鳴りのふくらみは弾力を伴いハネ良く描写。音像もちょうど良い厚みだ。ドラムセットも粒立ち滑らかでいきいきとしたタッチで描かれる。

試聴の様子

■幅広いジャンルに対応し「個人で楽しむだけでなくファミリーユースにも最適なモデル」

さらにロック音源でも聴いてみよう。マイケル・スウィート『I'm not your Suicide』〜オール・ザッツ・レフト/ディス・タイム/カミング・ホーム(BIG3 RECORDS:804983950020)ではエレキギターのラウドな押し出し感も密度高く、リズムパートのタイトな厚みもリッチに表現。

シンバルやスネアドラムのアタックも丁寧にまとめ、きつさのないクリアな響きとなる。ボーカルは輪郭もくっきりと描き、質感もヌケ良く素直に描く。コーラスワークの太さも心地よく、いずれもスムーズに浮き上がってくる。特にベース帯域の密度が充実しており、フルレンジスピーカーであることを感じさせない鳴りっぷりの良さを持つ。

最後にポピュラー系音源として“アニソン”の『あの夏で待ってる/特別編』テーマソング:Ray「季節のシャッター」/やなぎなぎ「point of infinity」(NBCUniversal:GNCA-0349)も聴いてみた。

スピーカーの背面

音のつながりに優れ、シンセの煌びやかなフレーズも一つ一つクリアに浮き立つ。低域のダンピングも高く、音像の引き締まったリズムが音場の透明感をさらに引き立ててくれる。

はかなげなボーカルのタッチもふわりと爽やかに浮かぶ。ボトム感もほんのりと感じさせ、押しつけがましくない。コーラスワークも含め若々しくスムーズに描かれる。クリアで瑞々しいピアノのタッチやアナログテイスト溢れるシンセの中低域の密度感も存分に味わえた。

サイズを超えた立体感溢れる表現は新しいスピーカーに追加された部材の効果が如実に表れているようで、音離れの良さと詰まることない高域のヌケ、そして低域の豊かさを十二分に堪能することができた。

どのジャンルの音源を聴いても破たんがなく、バランスに優れたサウンド傾向を持つことから個人で楽しむだけでなく、趣味嗜好の異なるファミリーユースとしてリビングにおくコンポシステムとしても最適だろう。

前へ 1 2 3

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: