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岩井喬が実力に迫る

JVCのプレミアムウッドコーン「EX-HR11」レビュー − クラシックからアニソンまで様々な曲で実力チェック

公開日 2014/10/21 15:06 岩井喬
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レシーバー部では独自のデジタルアンプ技術DEUSの新バージョンを採用。S/Nや歪み率、高域再生能力の改善を行っている。さらにK2テクノロジーについてもコンテンツのフォーマットによって係数を自動設定する新バージョンを取り入れた。シャーシには異種金属による組み合わせにより振動対策を行う銅メッキネジ&異種金属ワッシャを採用し、その組み合わせのパターンによってサウンドも追い込んでいる。

K2技術はスイッチでオン/オフ可能

またボディの側面にはサイドウッド、底面には9mm厚のアークベースを装着し、剛性と振動面からの対策を行ったほか、がたつきをなくす3点支持インシュレーターには真鍮無垢材削り出し品を採用。そしてプリント基板やパーツ単位で振動吸収部材を装着しており、“ビクタースタジオ”でのサウンドチューニングの効果も相まって、解像度や空間表現力に加え音色や艶やかさの表現についても従来モデルを超える品位を実現しているのだ。

底面。アークベースで補強

サイドウッドで剛性を確保

レシーバーにはCDプレーヤーやAM/FMチューナーに加え、iOSデバイスのデジタル接続やUSBメモリー再生(MP3、WMA、AAC)に対応したUSB-A端子を備えている。また192kHz/24bitに対応した光・同軸デジタル入力も備えているので、将来的にハイレゾ対応を見据えたシステム作りも可能だ。

レシーバー部の背面

■様々なジャンルの音源で実力をチェック

試聴では様々なジャンルのCD(一部ハイブリッドSACD)を用いて本システムのサウンド傾向を確認してみた。

まずはクラシック系であるマティアス・ヘフス『ライヴ・イン・ジャパン』〜ケルシェック:トランペット・ダンス/オープニング“冒険”(オクタヴィア:OVCC-00103)を聴く。

各パートの分離良く、低域のダンピングの良さ、細やかなタッチを粒立ち良くまとめてくれる。まず驚かされたのは音が出た瞬間に感じられる音場の広さや奥行き表現のナチュラルさだ。スピーカーのサイズを感じさせない広大な空間が展開するさまは見事である。

K2テクノロジーを有効にするとさらに音像がシームレスに繋がり、質感に潤いも生まれ、滑らかかつ瑞々しいタッチが鮮明となる。密度感も高く、トランペットの旋律も厚みが伴う。抑揚豊かで有機的な表現がより際立つ印象だ。

続いて北村憲昭指揮/ワルシャワ・フィル『ドビュッシー:海/ラヴェル:ラ・ヴァルス』〜レオ・ドリーブ:バレエ“コッペリア”より/マズルカ(NKB:NKB-104)ではホールトーンの豊潤さ、奥行き表現も巧みに描き出し、ハリ良い管弦楽器の旋律も落ち着き良くまとめてくれる。低域も安定し、滑らかで上品さに溢れるサウンドである。K2を入れることで解像感も高まり、低域方向の見通しもより明確となった。

そしてジャズの音源としてオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(ユニバーサル:UCCU-9407)も聴いてみた。

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