開発陣などが特徴を紹介

JVC、「EX-HR9」など新“ウッドコーンオーディオ”の高音質化ポイントを解説

2014/06/13 編集部:小野佳希
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
JVCケンウッドは、JVCブランドから発表した「EX-HR9」を始めとするオーディオシステム“ウッドコーンオーディオ”新モデルについて、メディア向けの説明会を開催。高音質化のために投入した技術の解説や市場動向などについてを紹介した。


■「ハイレゾ音源再生時の感動をCD再生でも味わってもらいたい」

6月5日に発表されている通り、新モデルは9cmフルレンジスピーカーとサイドウッドパネル付レシーバーによる最上位機「EX-HR9」、11cmウーファーと2cmトゥイーターによる2ウェイスピーカーとレシーバーによる「EX-HR7」、8.5cmフルレンジとレシーバーとの「EX-HR5」という3機種をラインナップ。

いずれも価格はオープンだが、「EX-HR9」から順に11万円前後、10万円前後、8万円前後での実売が予想される。最エントリー機「EX-HR5」はすでに出荷を開始しており、最上位機「EX-HR9」も「来週末くらいには店頭に並ぶのではないか」(同社スタッフ)という。なお「EX-HR7」は8月上旬の発売を予定している。

「EX-N70」(関連ニュース)などにも採用されたデジタルアンプ・New「DEUS」と、独自のデジタル高音質化技術であるNew「K2テクノロジー」を3モデル全てに搭載。「K2テクノロジー」では、音楽コンテンツのフォーマットに応じて、自動的に最適な “ビット拡張”、“帯域拡張”、“波形補正”の処理を行うことで、CDなどの音源も「スタジオマスタークオリティに近づける」としている。

New「DEUS」によってS/Nや歪み率、高域の再生帯域を改善

New「K2テクノロジー」によって高音質化を図る

なお、系統的には「EX-AR5」「EX-AR7」(関連ニュース)および「EX-AR9」(関連ニュース)のARシリーズの後継にあたる。ARシリーズは最上位の「EX-AR9」が直販サイト限定だったが、今回のHRシリーズでは3モデルとも店頭展開を行う。

ハイレゾ音源を始めとするデジタルコンテンツの再生に主眼を置いてCDプレーヤーを非搭載とした「EX-N70」「EX-N50」に対し、今回の3モデルはCDプレーヤーを搭載。「(EX-N70/N50という)ハイレゾモデルでハイレゾ音源を再生したときの感動を、K2テクノロジーを駆使してCD再生時に味わってもらえるようにしたいという想いから開発した」(オーディオ事業部 技術統括部 今村氏)という。

JVC 今村氏

ウッドコーンの開発背景

この想いを実現するため、同社では「広い音楽空間の演出」「解像度の向上」「音場空間の拡大」「重心の低い低音再生」「中音域の厚み」「高域の抜けの改善」という6点をクリアすべき目標に設定。これらに対して数々のこだわりを投入したという。

■最上位機「EX-HR9」に投入された様々なこだわり

最上位機「EX-HR9」では、まずスピーカーに9cm異方性振動板フルレンジウッドコーンを採用。同社の“ウッドコーンオーディオ”は、その名の通り振動板に一般的な紙ではなく木材を使用していることが大きな特徴だが、木材は繊維の方向で音の伝搬速度が異なる。この伝搬速度を調整するため、振動板の表面に異方性振動板を装着している。これによりワイドな空間と解像度を実現したとしている。

EX-HR9

羽のような部材を装着することで繊維方向でによる音の伝搬速度の違いに対処

次ページ1mm単位、0.1g単位での調整

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク