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5.6MHz/2.8MHz DSDに対応しノイズ対策も万全

デノン「DCD-SX1」はUSB-DAC機能も最高峰か!? ー 岩井喬が徹底検証

公開日 2013/10/31 11:27 岩井喬
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192kHz/24bitクラスのハイレゾ音源の普及やDSDネイティブ再生への取り組みが昨今のネットオーディオにおけるトレンドとなっているが、その波はUSB-DACだけではなくSACDプレーヤーにも及んでいる。昨年秋から発売された各社のハイエンドクラス機にはUSB入力が装備され、その多くが192kHz/24bit対応だ。

「DCD-SX1」¥577,500

こうしたUSB入力搭載のハイエンドSACDプレーヤーは旧来からのディスクパッケージ再生と、最新ファイル再生環境の両立を望むユーザーからの強いニーズによって誕生した理想的なコンポーネントである。一方で、PCから流入するノイズやUSB伝送のジッターなど、本来ディスク再生に特化したプレーヤーではこれまで考慮しなくてもよかった問題点に対し、対策を施す必要性が出てきたのである。

デノンはいち早くPCMデジタル録音に着手し、ディスクプレーヤー開発にも真摯に向き合ってきた。そして初のCDプレーヤーDCD-2000を1982年に発売してから30年の節目にあたるこの2013年、フラッグシップ機DCD-SXで得られたテクノロジーを活用しつつ、DSD&192kHz/24bit対応USB入力など時代が求める最新の機能性をも盛り込んだ、デノンCD/SACDプレーヤーの集大成DCD-SX1(関連ニュース)が誕生した。

DCD-SX1の筐体内部。音質パーツの吟味から制振性の追い込みまで、徹底的に作り込まれている

伝統の砂型アルミベースやさらに進化したAdvanced S.V.H. Mechanismによる高剛性かつ低重心な新型メカエンジンの他、DACチップも192kHz/32bit対応の電流出力型であるバー・ブラウン製「PCM1795」をモノモードで左右1基ずつ搭載。その後ろに控えるI/V変換回路やポストフィルター回路はフルバランス構成であり、いずれも本機のための新設計だ。

アナログ、デジタル系を分離した電源部には新型の砂型鋳物ベースの上に互いの漏洩磁束をキャンセルする向きに設置されたツイントランスを採用。制振性に優れる鋳鉄製インシュレーターや銅メッキシャーシ、剛性や共振に対して効果のある銅メッキ鋼鉄板を取り付けた肉厚アルミトップカバーなど、DCD-SX譲りのこだわりも継承されている。

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