音叉の国内生産に成功

2016年度「音の日」が開催。音の匠は音叉研究の第一人者、本田 泰氏

公開日 2016/12/12 11:02 編集部:押野 由宇
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
12月6日、日本オーディオ協会は「音の日」記念式典を開催。学生の制作する音楽録音作品コンテンストや、音の匠の顕彰式などが執り行われた。


「音の日」は、音楽・オーディオ・レコード・放送など「音」の文化について広く知らしめると共に、オーディオ文化と産業の発展のために、日本オーディオ協会、日本レコード協会、日本音楽スタジオ協会などが1994年に12月6日を「音の日」と制定したもの。トーマス・エジソンが1877年12月6日、世界で初めて錫箔円筒式蓄音機「フォノグラフ」を発明、音を記録した日であることに由来している。

2016年度の「音の日」では、音楽録音に興味を持つ高校生以上の学生(個人またはグループ)による音楽録音作品のコンテストや、音の匠への顕彰式が行われた。

顕彰式を前に、日本オーディオ協会会長の校條 亮治氏は「“良い音を世の中に伝えたい”をモットーに、なくしてはならない音、音楽を世に残していく。さらなるオーディオ文化創造に向け、今後も大いに発信していくため、日々研鑽していきたい」と挨拶した。

日本オーディオ協会会長 校條 亮治氏

音の匠の顕彰式は、音や音楽を通じて、文化創造や社会貢献に卓越した能力を持ち、実践している個人、組織を顕彰するもの。第21回目を迎えた今回は、株式会社ニチオン相談役、日本音叉研究所所長の本田 泰氏が顕彰された。

本田 泰氏

本田氏は、長年に渡る音叉製作の研究を通し、音楽業界、医療機器業界などへの音叉の広範な応用を提案。その高精度化と多用途化に向け活動されてきたことが、顕彰につながった。

ステンレス鋼音叉(440Hz)

父である本田将隆氏の代から音叉に携わり、音叉の国産化や、製作技術の向上を実現。音叉を量産するのに必要な調整用の原器には、恒温で±0.05Hzの超精密音叉を製作、それを原器として量産でも±0.1Hzの高精度生産に成功している。その精密性から、日本のみならず世界中から信頼を寄せられている。

壇上で喜びを語る本田氏

現在も継続して音叉の研究を行っており、音楽用途、医療用途といった一般的な使用用途のほか、ヒーリング用途、アクセサリー用途、マッサージ用途など広範な商品化に取り組む。今回の懸賞について本田氏は「自身は一介の職人でしかないが、こうして認めていただけることは名誉で喜ばしい。これからも精進して、色々な音叉を作っていきたい」と語った。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック