音に影響を与える着色物をすべて排除

ユニバーサル、高音質レコード「100% Pure LP」 − 15作品を12月発売

公開日 2012/10/03 17:43 ファイル・ウェブ編集部
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ユニバーサルミュージックは、新配合無着色のヴァージン・ヴィニールを採用した高音質LPレコード「100% Pure LP」を発表。全15タイトルを12月12日に発売する。

通常のレコード(黒盤)の材料には、主原料となる塩化ヴィニールの他に再利用の観点から、カーボンなど着色のための染料が添加されている。今回のPure LPには、音に影響を与える着色物をすべて排除し、成型の安定性と音質を考慮し低重合度のストレート塩化ヴィニールを特別に配合したという。このため原料のヴィニールそのままの、やや黄色がかった透明のLP盤となっている。

またメタルマスターからダイレクトにプレスする手法を採用することで、忠実な溝の成形を目指した。レコードを量産する場合、通常はカッティング後にラッカー盤(凹)メタルマスター(凸)メタルマザー(凹)スタンパー(凸)の4工程を経てプレスに至るが、ピュアLPはメタルマザーとスタンパーの2工程を省いている。

通常のプレスから2工程を省略

さらに、マスター音源にはSA-CD〜SHM仕様シリーズに使用されたDSDファイルを採用。そのマスターを、DSDワークステーションとして圧倒的な信頼を誇るSonomaから、俗称銀箱と呼ばれるソニー特製K-1326 D/Aコンバーターのアナログ出力を通してダイレクトにカッティング・コンソールに入力。イコライザー、リミッターコンプレッサー、カットフィルター、低域位相補正等の電気処理は一切通さないシンプルな回路構成を採用している。なお再生歪を軽減させるため、音溝は可能な限り外周に寄せてカッティングする。

同社では「アナログ・テープからのフラットトランスファーを基本にしているが、経年によるダメージ部分を可能な限り修正した望みうる最高のデジタル・マスター」としており、「カッティング・レベルを競うのではなく、音の鮮度とダイナミックレンジを重視したマスターに忠実な音作りを目指す」という。

ロック/ポップス、ジャズの名盤全15タイトルを全国のCD店/オーディオ店で販売予定。初回完全限定盤としての発売で、価格は各作品とも5,800円(税込)。発売される作品は下記の通り。

・ザ・ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ』
・ザ・ローリング・ストーンズ『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』
・ザ・フー『フーズ・ネクスト』
・ブラインド・フェイス『スーパー・ジャイアンツ』
・エリック・クラプトン『461オーシャン・ブールヴァード』
・マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』
・ダイアー・ストレイツ『悲しきサルタン』
・レインボー『バビロンの城門』
・エイジア『詠時感〜時へのロマン』
・スティーヴィー・ワンダー『インナーヴィジョンズ』
・ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビイ』
・ビル・エヴァンス『ポートレイト・イン・ジャズ』
・ソニー・ロリンズ『サキソフォン・コロッサス』
・アート・ペッパー『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』
・ウェス・モンゴメリー『インクレディブル・ジャズ・ギター』

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