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開発のキーマンに製品の狙いと背景を訊く

【CES】「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの − ソニーモバイル黒住氏に訊く新デバイスの詳細

公開日 2014/01/14 16:32 一条真人
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その処理をするのも、今までであれば本体だけで処理しなければならなかったものが、アプリによってスマートフォンで処理をできるようになりました。ただ、膨大なライフログの解析などはスマートフォンだけではできませんし、現在のスマートウェアでもまだ複雑な処理は行えませんので、クラウドで処理して戻すという手法をとっています。

スマートウェア本体にもディスプレイをつけていません。これは、処理をスマホでやるなら、表示もスマホのディスプレイでやればいいという考えです。スマホを1つの拠点としたほうが今の人々のライフスタイルに合っているのではないかと考えました。

要するに、スマートフォンという大ガジェットがあり、それはもはや生活のなかでプラットフォームになっている。それがあるなら、それを利用するのが普通のライフスタイルなのでは、ということです。

あえて別々のものを作るのではなく、それがある前提で考えたほうが、人々にとって、生活にとってよりよいのではないか。それがこの製品の発想の原点です。

スマートバンドは多数のカラーが用意される

今回のCESで他社をみていると、さまざまなアプローチをされています。ですが、やっていることは違っても、見ている方向は似ているんだろうな、と思います。そのなかで、各社が持っているこれまでのDNA、得意分野によって、あるメーカーは家電、白物に近いところなどで強みを出して様々な提案を行っているということでしょう。

そんななか、ソニーではこれまで、ちょっとした楽しみであるとか、ちょっとした感動であるとか、それがあることで人生が少し楽しくなるというところに着目して製品を作ってきました。そのDNAで作ったのが今回のスマートウェアです。

しばしば、FitBit(※日本ではソフトバンクが取り扱うウェラブル端末)と何が違うのかなどと言われるのですが、私からすると目指しているところは似ていると思っているので、もちろん別々の製品なのですが「全然違いますよ」とは言えないとも思っています。

さらに、もっと踏み込んで言うと、サムスンやLGが白物で目指しているところも実は似ているのではないかと思います。それを否定しちゃいけないと思うんです。「いやいや、ソニーは全然違うんですよ」とかいうのはちょっとおかしいんじゃないかと思いますね。

■「過去」「現在」「未来」を見る

ただ、一方で「ソニーならでは」の部分ももちろんあります。

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