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開発のキーマンに製品の狙いと背景を訊く

【CES】「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの − ソニーモバイル黒住氏に訊く新デバイスの詳細

公開日 2014/01/14 16:32 一条真人
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ソニーは2014年CESのプレスカンファレンス(関連ニュース)において「スマートウェア」と称する新しい商品を発表した。これは腕に装着するデバイスなのだが、同社にはすでに「スマートウォッチ」という製品があるのになぜ?という疑問を持った読者の方もいらっしゃると思う。

この新デバイス「スマートウェア」について、ソニーモバイルUXデザイン&企画部門、UX商品企画部のVicePresidentにしてクリエイティブ・ディレクターの黒住吉郎氏にラスベガスで話を訊くことができた。

スマートウェアの第1弾である「スマートバンド」

■「スマートウェア」は「つけ爪」のようなもの

私はソニー・エリクソンの時代から商品企画をやっていまして、スウェーデンのルンドを拠点に2003年から8年間商品企画を担当しました。その後、サンフランシスコで引き続き1年間、商品企画をやりまして、2年前、ソニーの完全子会社化をきっかけに東京に戻り、引き続き、商品企画をまとめています。現在の体制ですが、主なメンバーはこれまで同様にルンド、北京、台北など、それぞれの拠点に開発メンバーがいます。

黒住氏(※写真は2013年10月撮影時のもの)

商品企画はハードだけでなくソフトも開発しています。もうスマートフォンはソフトウェアのかたまりになってきていますので、ユーザーインターフェース、ユーザー・エクスペリエンスも私が企画を担当しているわけです。

今回、我々は「スマートウェア」の第一弾としてリストバンド型の「スマートバンド」を発表しました。ただ、これまでスマートフォンをやっていた私が言うのもなんですが、まだ、「人間との距離がある」のかなとも思っています。

パソコンなどでも同じだと思うのですが、技術がどんどん進化していくにしたがって、製品と人間との距離もどんどん広がっていってしまうという部分があるのではないでしょうか。

特にスマートフォンであるとか携帯電話は、人間が使ういろいろなものを処理してくれるもののなかで唯一、24時間身につけていたりと、人間のそばにあるデバイスです。

それがCPUも1GHzから2GHz、デュアルコアからクアッドコアなどと進化してという世界になってくると、どんどんスペックばかりを追い続けてしまい、使い手である人間との距離ができてしまうのではないかと感じています。

一方でその技術を、私たちは人間の生活のちょっとした“延長”に使いたいのです。変な表現をすると「つけ爪」ですね。「ちょっとつけていれば、いろいろ変わる」というのがスマートウェアです。それがあることで生活も変わるというようなことですね。

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