製品批評

Vol.487
毎週水曜更新 2012年10月3日号(9/26発行)

上質な素材を厳選した3層円筒構造 極めてワイドレンジな再現性を実現

文/炭山アキラプロフィール

製品名

レファレンスとするに足る優れたバランスを持つケーブル

AETのキーテクノロジーというべき3層円筒構造は、コストはかかるが導体の伝送面積を1.5倍に拡大する優れた方式だが、これが同社の中間クラスSINやSCRのインコネにも採用された。今回はSINのRCAとXLRを聴くことができた。導体はもちろん純国産のプレミアムバージン銅、絶縁体は優れた特性を有するPFAフッ素樹脂、シールドはアモルファス合金が採用されている。RCAプラグは一回り大きくなった。XLRプラグも上質で頑丈なものが取り付けられている。

RCAから聴く。クラシックはとてつもないスケールを平然と聴かせるといったイメージで、音場は見晴らし良く、オケの編成が眼前に浮かぶようだ。極めてワイドでかつ帯域バランスが良いのだろう、特定の帯域を強調するということがない。ジャズは明るく伸びやかで、トリオが演奏を楽しんでいる様がよく伝わる。楽器の質感もごく自然だ。ポップスは歌い手の表情、歌に込めた思いを忠実に表現しているような感じだ。安心してレファレンスにできるタイプといっていいだろう。

XLRでも表現が大きく変わることはない。XLRの方がどちらかというと音像が前へ出て、やや音場表現が堅めのような気がするが、これは先端プラグのわずかなキャラクターの違いが出ているのであろう。本質的にはどちらも優れたケーブルだ。

<この製品の情報は「オーディオアクセサリー」146号から転載しています>

スペック

【SPEC】●ラインナップ(ペア・税込):<RCA>¥189,000/0.8m、¥252,000/1.2m、¥315,000/2.4m、¥378,000/3.6、¥504,000/5.4m <XLR>¥201,600/0.8m、¥264,600/1.2m、¥327,600/2.4m、¥390,600/3.6、¥516,600/5.4m ※いずれも2.4m/3.6m/5.4mは受注生産 ●導体:日本製プレミアムバージン銅(Agプレーティング) ●端末処理:非鉛系合金による溶着処理(ROSH指令適合) ●端末:特製RCA、XLRプラグ ●問い合わせ:完実電気(株) TEL/03-3261-2071

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