製品批評

Vol.486
毎週水曜更新 2012年9月26日号(9/19発行)

新開発のノイズ対策素子を採用したAC/SP用ターミネーター

文/鈴木 裕

製品名

全体的なハイファイ度が驚くほど向上

製品画像

スピーカー用(SP)

オーグラインを手掛ける武藤製作所の武藤明彦氏が開発した製品だ。ノイズ対策目的にこれまで様々な素材を試してきたが、ノイズは消えても情報量が欠落してしまうものが多かったという。そしてついに到達したのが最新のノイズ吸収素子とファインセラミックスを融合させた素材で、オーディオの交流の部分で効果を発揮。製品としては電源用のターミネーターPWとスピーカー用のターミネーターSPがある。

製品の内部に使われている素子のみも販売。電源用15A規格と信号用3A規格があり、ともにYラグを付けて使用するといいという。

パワーアンプに電源ケーブルを差すところにターミネーターPWを挿入してみると、たしかにノイズフロアが下がる。クラシックのオーケストラでは楽器の周囲にあるステージ上の空気感がよく見え、音色の純度も向上。音場はまとまる方向だ。クラプトンのライブでは音の立ち上がりが良くなり、制動もきいてくる。音のキメが細かくなるのだが、克明なリアリズムと言うよりもライブの現場の空気感を雰囲気良く聴かせてくれる方向性だ。

ターミネーターSPを試してみると電源用よりもさらに音の変化率が大きく、しかも臨場感やリアリティなど、全体的なハイファイ度が上がる方向性に働いた。その上で、低域の深々と沈みこむような感じや、中高域の繊細な響きが際立ってくるなど、聴けば聴くほど発見の多い再生音を獲得して驚かされた。

<この製品の情報は「オーディオアクセサリー」146号から転載しています>

スペック

【SPEC】●素子としても単売:3A(信号用)→¥17,000/1個、15A(電源用)→¥20,000/1個 ●問い合わせ:武藤製作所 TEL/03-5828-3171

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