製品批評

Vol.377
毎週水曜更新 2009年12月23日号(12/16発行)

音楽再生に最重点を置いた45cmユニット搭載のサブウーファー

文/山之内 正プロフィール

製品名

演奏会場の暗騒音までリアルに聴き取ることができる

KEFのスピーカー技術を集結したサブウーファーのフラグシップモデルである。既存のサブウーファーとは一線を画す高度な技術ときめ細かい作り込みが行われており、良質かつスケールの大きい再生音を引き出す。ハイエンドホームシアターだけでなく、ハイファイシステムとの組合せにも進化を発揮することは間違いなく、KEFは同社ラインナップの頂点に位置するリファレンスシリーズとの組合せを想定している。

45mmの大口径ユニットはストローク長が60mmに及ぶ超ロングストローク型で、サスペンション構造も独自設計。磁気回路にはネオジウムマグネットを放射状アレイで搭載している。前後非対称の曲面を活かしたキャビネットにはACEを大量に投入し、キャビネットの有効容積は実際の2倍に相当する。内蔵アンプは1,000Wの大出力を実現しているだけでなく、付属マイクを使用した音場の自動測定機能を実現しており、部屋の音響特性に最適化した再生音を実現する。

オルガンや大太鼓などの超低音成分が正確に出てくるだけでなく、15Hzから再生可能な本機を加えると、演奏会場の暗騒音までリアルに聴き取ることができる。

急峻な特性の高精度なフィルターを内蔵しているため、既存のどんなスピーカーと組み合わせても低域が干渉することはなく、必要な帯域だけに絞って、極めて良質な超低音を付加することが可能だ。KEFの205/2と組み合わせた場合を例に取ると、カットオフを30Hz程度に設定し、それ以下の帯域を本機に受け持たせるだけで絶大な効果を発揮し、ほかのサブウーファーでは真似のできない超リアルな音場が目の前に広がった。

この製品の情報は「オーディオアクセサリー」135号にも掲載されています

スペック

【SPEC】●形式:KEFエースコンパウンド採用密閉型 防磁設計 ●ユニット:450mmロングスロー ●周波数特性:15Hz〜250Hz(±3dB) ●アンプ:1,000W内蔵 ●インピーダンス:アクティブシステム ●外形寸法:629W×530H×629Dmm ●質量:51.9kg

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