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【連載】ガジェットTIPS

いつのまにか機器がベトベト...不快な「加水分解」を防ぐには?

2023/04/15 海上 忍
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数年前に購入したデジタルガジェット、久しぶりに取り出してみたらなんだかベトベト...という経験はありませんか? 最後に使ったときキレイに掃除していたから腑に落ちないし、納得できない!といっても状況に変わりなし。もう一度現役復帰させるためには、ベトベトを落とすしかありません。

Image:Studio KIWI/Shutterstock.com

そのベトベトの原因は、おそらく「加水分解」。加水分解とは、物質に水分が加わることで分解が進むという化学反応の一種で、たとえばポリエステルは水が結合するとカルボン酸とアルコールに分解されます。ベトベトは、その成れの果てなのです。ゴムやプラスチック、ポリエステルなど樹脂類に広く見られる現象で、それらの素材を使用しているかぎり、どのような製品でも起こりえます。

加水分解のベトベトは、程度が軽いものであれば、エタノールを含んだウェットティッシュで拭うと落とすことができます。頑固なベタつきは、無水エタノールを染み込ませた布で拭くと効果的です。

軽度ならエタノールを含んだウェットティッシュなどで拭ってみよう

加水分解は完全に止められませんが、空気中の水分を少なくする、つまりできるだけ乾燥した場所に保管しておけば、進行を遅らせることはできます。実際、スピーカーメーカーの方に聞いた話では、ウレタンエッジの加水分解による修理依頼は、高温多湿の国・地域からの比率が高いそう。スピーカーのように大型の製品はともかく、小さなデジタルガジェットであれば、“低温少湿”な場所での保管にはさほど苦労しないはずですよ。

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