無料ダウンロードキャンペーンもスタート
従来とは異なるストリーミング音楽配信「OTOTOY Collections」。その魅力を竹中直純氏が語る
■ブラウザが「楽曲を購入し楽しむ場」に
では、OTOTOY Collectionsの狙いはどこにあるか。OTOTOY代表取締役の竹中直純氏に訊ねると、「購入した楽曲を職場や家庭のPCで気軽に楽しめる」と答えは明快だ。
サービスを開発したきっかけは、ダウンロード待ち時間の解消にあるという。OTOTOYのウェブサイトで楽曲をダウンロードするときには、対象の音源をサーバ上でZIP圧縮するが、混雑具合によってはダウンロード開始まで若干待たされることがある。「ダウンロード時にその音楽を聴くことができればストレスは大幅に軽減されるはず」(竹中氏)という目論見が、OTOTOY Collectionsの開発動機であり出発点だ。
OTOTOY Collections導入後のOTOTOY WEBサイトは、これまでの「楽曲を購入する場」から「楽曲を購入し楽しむ場」へと変わる。アルバム画像を眺めつつ再生することはもちろん、ダウンロード日時/発売日/再生日時/アルバムタイトル順に並べ替えたり、プレイリストを作成したりできるのだから、ウェブブラウザが再生ソフトになるといってもいいだろう。
再生ソフトとしての機能はシンプルだが、並び順の次の曲を自動再生する仕様により、PCでなにか作業している時の“流し聴き”にはお誂えだ。曲/アルバムは不可視設定が可能なため、表示したくない・聴きたくない曲にも対応できる。再生は曲名部分をクリックするだけ。ダウンロードし直す必要がないので、内容をとりあえず確認したい、どのような曲調だったかすぐ知りたい、といった場面にも重宝する。
OTOTOY Collectionsのストリーミングは、HTML5のオーディオタグを使用する。ローカルにキャッシュしない(ダウンロードを繰り返さない)仕様のため、著作権の問題が発生しないこともポイントだ。購入時にどのフォーマットを選択したかにかかわらず、ウェブブラウザで聴く時は一律AAC/320kbpsとなるため、初めてストリーミング再生される曲はAAC変換の都合上少し待たされるが、一度再生されると変換後のAACがOTOTOYのサーバに残るため、その後同じ曲を再生するユーザは待たされずにすむ。
プレイリストがスマホアプリ「OTOTOY」と同期することにも注目。WEBブラウザで作成したプレイリストはただちにスマホアプリに反映され、すぐに使える。逆もまた真なり、スマホアプリのプレイリストはウェブブラウザでも利用可能だ。
ただし、一部レーベルはダウンロード回数の上限を設けているため、再生回数が表示されるタイトルもある。OTOTOY Collectionsの機能はスマホ/タブレットのウェブブラウザでも利用できるが、スリープしがちなデバイスゆえに曲を数珠つなぎで再生することが難しく、基本的にはPC向けという位置づけだ。