BUNDLE GALLERY
千葉県野田市野田57番
対応時間;平日10時00分 - 17時00分
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※イベントは既に終了しています
Artek(アルテック)は、千葉県野田市のBUNDLE GALLERYで、名作「ドムス チェア」の2026年新バリエーションに焦点を当てたイベントを開催した。
フィンランドデザインの巨匠のひとりイルマリ・タピオヴァーラが1946年に生み出したドムス チェア。フィンランドのデザイン企業・インテリアブランドであるArtekは、張り地とカラーを取り入れた新たなバリエーションを、80周年企画として4月22日より日本でも発売する。
今回のイベントでは、インテリアスタイリストの川合将人さんが、自ら主宰するBUNDLE GALLERYに、リビング、ダイニング、キッチン、書斎、寝室といった4つのシーンを構成し、来場者をもてなした。
イベントに合わせて家具を入れ換え、新しい10種のドムス チェアをインストールすることで、日本の住まいにおけるスタイリングの手ほどきになる空間をつくりあげた。
このBUNDLE GALLERYは、もともとは1950年代にル・コルビュジエのアトリエに勤めた建築家・進来廉が1974年に設計した個人邸を再生した平屋。ふだんは輸入家具やアートの販売、イベントや展覧会を行う場所だ。
段差や天窓、広大な窓、内装の仕上げまで有機的かつモダンな美しさを湛え、茶室が似合いそうな和の庭には木や花々がちりばめられており、足を運ぶだけで心洗われる居所である。
川合将人さんによるスタイリングの紹介に先立ち、デザインジャーナリスト猪飼尚司さんを交えた対談が行われた。
猪飼さんはドムス チェア70周年イベント時にモデレーターを務め、ドムス チェア開発の契機となった学生寮「ドムス アカデミカ」に実際に足を運び取材したこともある。
ドムス アカデミカは狭小で、室内では学習のみならず日常生活のすべてを賄う必要があり、そのためにオールマイティで場所を取らず、短い肘掛けが自由な対話を妨げないドムス チェアは好適だったのだという。
またドムス アカデミカにはAからD棟まであり、D棟はカップルになった学生同士が暮らす専用の棟であるなど先進的な思想が反映されていたこと、内装は華やかで学生ウケするエンターテインメント的要素があったこと等々、興味深い話が聞けた。
ドムス チェアは、三次元に湾曲させた積層合板の座面と、細い無垢材のフレームといういわば “板張り” のチェア。だが2026年の新バリエーションでは、もともと有するオールマイティな性質──勉強するだけでなく、食事をしたり、仲間と語り合ったりする日常すべてを賄う──を敷衍させ、あらゆる住宅に対してチェア単体でコミュニケーションできる一脚を目指して開発された。まさに「ドムス」=「家」である。
5種類の布張りと5種類の革張り、レザーのパイピングが施された10脚は、イルマリ・タピオヴァーラが当時プロジェクトごとに作成していたカラーチャートよりインスピレーションを得ている。
住宅の性格に合わせた、白木でシンプルな北欧調の「Nordic」、日本的なミニマリズムを表現した「Minimal」、ヴィンテージなど様々な要素をミックスした「Layered」、大理石など贅沢な意匠のラグジュアリーな邸宅をイメージした「Opulent」といった、4つのテーマが想定されている。
今回のコーディネートも、この4つのテーマに則っている。
「キッチンや寝室のように一部屋で完結している場合はコーディネートがしやすいが、空間に境界がないリビングダイニングのような空間がもっともコーディネートが難しい」と川合さんは語る。
全体的にダークななかに色の階層を滲ませていったり、小物やオブジェを使ったり、テーブルにリネンのような異素材を選ぶといった手法を用いながら、ArtekやVitraの家具、あるいはヴィンテージ家具を配置し、来場者を唸らせていた。