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公開日 2026/03/06 06:30
3タイプの「自由空間」を用意

“スキ” に囲まれて暮らすよろこび、リビタのリノベマンション「PATH高円寺」が入居開始

遠藤義人

マンションや戸建の一棟まるごとリノベーションを中心に、不動産再生を幅広く手掛けるReBITA(リビタ)が、東京・高円寺に賃貸マンション「PATH高円寺」を2月に竣工、プレス内覧会が行われた。


リビタは、単に中古物件を改修するハードウェアの側面に留まらず、高いデザインとライフスタイルを向上させる、いわゆるソフトウェアの側面における価値創出の視点がいつも興味深い。これまでも共用部分にホームシアターを設置して住人が集う場を設けるといった工夫がみられたが、果たして今回はどのような価値を訴求してきたのか。


住人が「自分らしさ」を表現する場となることを目指して


“PATHシリーズ” は、マンションを一棟単位で取得して、現代のライフスタイルに合わせた価値を付与することで不動産価値と収益性を高め、一定期間保有後に売却するリビタの住宅リノベーション事業。建物の持つ潜在的な価値を見いだして再び市場に還元していくという点で、もっともリノベーションらしいといえる。


ちなみに「PATH」に込められた想いは、これまでの暮らしとこれからの豊かな時間を繋ぐ「パス」、あるいは、住人がこれまで大切にしてきた趣味やこだわりを尊重しつつ将来の暮らしに繋ごうというもの。








PATH高円寺は、その20棟目の最新事例である。築37年の5階建て中古マンション、1階が店舗で、PATH高円寺は建物脇から入って2 - 5階の11戸で展開する。


JR中央線高円寺駅と丸ノ内線新高円寺から徒歩圏かつちょうど中間地点にあり、利便性と共に駅前からほどよい距離感で周囲も高層の建物も少なく居心地がいい。飲食店や古着屋など商店街も活気があり、高円寺阿波踊りなど昔ながらの行事も残る地域だ。


リビタはこのエリアを「多様な人々を受け入れる懐の深さと、地域への強い愛着が特徴」と分析。住人が「自分らしさ」を表現する場となることを目指した。



そこでプロジェクトパートナーとして、(1)共用部はCAN一級建築事務所を起用し、個性を持ったクリエーターが自らのアトリエに帰っていく導線としての「アトリエの小径」に。(2)専有部はJAMZA一級建築事務所を起用し、趣味に没頭できるアトリエをイメージすることとなった。


さらに(3)地域性とアートの色彩を強めるため、高円寺を拠点にまちづくりに取り組む「みんなのまちアート実験室」を主宰する大黒健嗣氏に依頼し、アイキャッチとなるアートを随所に施している。内覧会ではまだ制作中だったが、3月の開始時にはお披露目できるとのことだ。



Aタイプ 304号室「気がつけば、仲間が集まる自由空間」



Photo by古末拓也


2LDKをスケルトンリノベーションして1LDKの大空間に。周囲に高い建物もなく、3方向に窓があるが北側ゆえほどよい翳りで、居心地がいい。特徴は真ん中に造作されたキューブ型アイランドキッチン。ここを中心にダイニング、リビング、寝室へと展開する配置となっている。



Photo by古末拓也


そしてなんといっても目玉は、PATH高円寺が重視する “自分らしさ” を表現する場として、間仕切りを兼ねた天井までのオープン収納が造作されている点だ。高級インテリアブランドでもオープンなクロークが流行しているが、空間に入ったときに自分の “スキ” が目に入り、気分がアガるような「見せる収納」である。






スキに囲まれている悦びと共に、人を招いたときの名刺代わりにもなる。これこそが「仲間が集まる自由空間」なのだ。



Bタイプ 203・303号室「 ”好き” で満たす自由空間」



Photo by古末拓也


内覧したのは303号室。ここも元は2LDKだがスタジオタイプに変更。窓側にリビングダイニングを取り、残りは、天井までのオープン収納が縦長の間取りをさらに縦に分断する。



Photo by古末拓也




303号室のリビングダイニング背景の大きな壁は、敢えてアクセントウォールとして残し、ピクチャーレールを使って絵を飾るなどして個性を演出してもらう仕掛けに。ちなみに203号室ではここに大きな壁画アートが施されている。









Dタイプ 302号室「窓の空間と開放感に浸る自由空間」



Photo by古末拓也


302号室も2LDKをスケルトンリノベしてスタジオタイプとした空間だ。東南に面しており、Aタイプの304号室よりもかなり採光がある。部屋を貫通するオープン収納の裏側にあるベッドルームはかなり開放的で、黄色のカーテンで仕切ると間接照明のように彩り豊かになる。



Photo by古末拓也


フローリングではなく敢えてリノリウムに。RC剥き出しの天井や梁、荒い仕上げの壁面ゆえ、床は土間っぽいものに。かつ傷がつきにくいということで選定。


PATHシリーズの企画・運営を担い、思い切った提案力に定評のあるアセットソリューション事業部の鈴木佑平氏は、「高円寺ならではのチャレンジです」と説明している。






リノベーションは、従前の立地を生かした街作りに貢献できるところが強みである。リビタの案件としては比較的小規模だが、新宿にも2駅でありながら中野の隣の立地とあって、雑多な独自のカルチャーを持つ高円寺とは目の付け所がいい。映画や音楽、アートの感度が高い単身やDINKSが住みこなしたくなる魅力が詰まった物件だと感じた。



商店街をイメージさせるレトロ感覚の照明を多用(Photo by 古末拓也)




共用部分のインターホンにも個性を演出できる小物を置けるスペースが




エントランスはワープトンネル仕立てに。住人たちの心拍数をパルスで表しエントランスのワープトンネルに繋がっていく(Photo by 古末拓也)


リビタとは


リビタは2005年創業のリノベーション会社。「Renovation」と「Habitant(住まい・暮らし)」を掛け合わせることで「社会、くらしをリノベーションし、あなたと環境にとって豊かな未来をつくる」をミッションとしている。


既存建物の価値向上についても、建築の性能の改善や改修に留まらず、価値観のアップデートも重視。その場所がもつ長所や過去の文脈を捉えて社会課題を解決し、当該建物の次のライフスタイルを提案するという点も積極的に進めている。






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