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公開日 2026/01/19 17:26
バックライトを個々に調整する課題も

<CES>液晶テレビはRGB LEDバックライトの競演。LG/ハイセンス/TCL/サムスンの新製品から読み解く各社戦略

麻倉怜士

テレビの画質において“色”の重要性が高まる


CES2026のハイライトは、明らかに、液晶テレビのRGB LEDバックライトであった。そもそも昨年春に、ソニーがミニLED液晶テレビのバックライトを青色からRGBに変更すると発表(発売は2026年)して以来、他社の動向が注目されていた。


ミニLEDに限らず、液晶テレビのバックライトは一般的には青一色で、それをカラーフィルター、もしくは量子ドットフィルターで色づけ、サブピクセル単位でRGBにしていたのを、バックライトそのものをRGBで発光させるのが、RGBバックライトだ。色再現範囲の拡大が狙いだ。


大昔に戻ると、ソニーが2004年に発表した「QUALIA 005」がRGBバックライトの元祖だ。その後、2008年にソニーとシャープが同時に商品化した後は途絶えていたが、昨年CESでハイセンスが技術発表し、次に冒頭のソニーが続き、今年のCESは、さらに多くのメーカーが参入を発表した。面白いのは、各メーカーの路線が違うことだ。



ソニーが2004年に発表した「QUALIA 005」がRGBバックライトの元祖


まずLEDのサイズ。ミニLEDかマイクロLEDか、だ。すでに中国で発売しているハイセンスとTCLは「ミニLED」、韓国のサムスンエレクトロニクスとLGエレクトロニクスは「マイクロLED」だ。LGは「LG Micro RGB evo」とブランディングした。



LGエレクトロニクスはセントラルホールに大型ブースを展開。マイクロRGBバックライト・液晶テレビ「LG Micro RGB evo」を披露する


サムスンの展示によると、一般的なLEDの1/50の大きさがミニLED、100マイクロメーター以下がマイクロLEDだ。



WYNNホテルのサムスンエレクトロニクスのプライベートブース。130型のマイクロRGBバックライト・液晶テレビを披露した



LEDのドットの大きさを顕微鏡で確認できるブースを展開


中国勢の展開、なかなか複雑だ。ハイセンスは、サブピクセルをRGBにシアンを4色にした。TCLは通常のRGBミニLEDに加え、それが登場する以前に主流だった「青色LEDバックライト+量子ドットフィルター+カラーフィルター」でも攻め、「SQD Mini LED」とブランディングした。



ハイセンスはプレス・カンファレンスで、「Emotinal Power of Color」とプレゼンテーション


こうしたRGBバックライト化の流れは、ここに来て、色がテレビ画質の中で、特に重要視されてきたことを反映している。


ハイセンスはプレス・カンファレンスの席上、「Emotinal Power of Color(色の感情的な力)」、「Color that Moves You(あなたを感動させる色)」、「Leading the Next Era of Color(色の新時代をハイセンスがリードする)」、「Turning Moment into Memories(記憶に残る印象的な一瞬)」、「Color adding Heartbeat to the Picture(色は映像に心の鼓動を与える)」などなど、色を賛美する様々な言葉を発し、色が映像にとっていかに大事かを訴えた。



RGBにシアンを加えた4色にしたRGBミニLEDを世界初披露


RGBバックライト推進の課題


さて、メーカー側は色が素晴らしいと自己賛美しているが、その課題も述べよう。RGBバックライトの液晶テレビは自発光ではないので、パネルの画素数/ローカルディミングの分割数/LEDバックライトの数が合わない。全面赤や全面緑などの場面では抜群の色再現を発揮するが、多数の色や柄、階調が入り交じる普通の映像では、なかなか難しい。


4K液晶ではサブピクセルの画素数が約2500万あるが、ローカル分割数は数千に留まる。例えば3000ブロックだとすると、1ブロックは約8000のサブピクセルを受け持つ計算だ。しかしブロック内のLEDの数は遙かに少ないので、信号の色の画面位置と、バックライトのRGBの位置がずれるということが普通に起こる。


こういった問題に対して、RGBバックライトの発光量調整、中間色生成、液晶レイヤーでの変調、そして表のカラーフィルターとの複数の合わせ技で、着色を頑張るのだが、それでも難しい時には、いっそブロックをRGB全部を点灯し全白にしてしまえと、「白+液晶変調+カラーフィルター」で色づけする場合も、当然でてくる。


従って、ホワイトディミング(あるブロックがRGBの全発光で白になる)の出現は避けられない。せっかくのRGBバックライトでも、部分的に白発光になったり、カラー発光になったりする。その結果として輝度、彩度、色相が不安定になり、実色域も狭くなる。


サブピクセル単位で自発光する有機ELやマイクロLEDディスプレイならこんな問題は起きないが、あるエリア単位でしかバックライトを個々に調整できないRGBバックライト液晶では、普通のことなのだ。


TCLは、なぜ「青色LEDバックライト+量子ドット+カラーフィルター」の「SQD Mini LED」を開発したかをニュースリリースで説明している。それが、「achieving 100% of BT.2020 color with exceptional accuracy and consistency」(並外れた色の正確性、色の安定性により、BT.2020 100%を実現)という文言だ。


正確な色、安定した色を得るために、通常の青バックライト方式を採用したと読める。RGBバックライトを推進しているメーカーは、どうやってこの問題に対処するかが、今後の課題になるだろう。



コンベンションセンターのTCLのメインブース。TCLのRGBバックライト・液晶テレビ(左)と、量子ドットフィルターの液晶テレビ(右)と両面展開で技術力を示す


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