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ソフトを変えて手軽に音質向上!

タダで音を良くするPCオーディオソフト選び【前編】 音を悪くしているのはiTunes?

2010/08/27 高橋敦
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■運用はiTunesとの併用が現実的

さて、自身の環境で聴き比べて、「たしかに音が違う…」と感じることができたら(できてしまったら)、音楽ライブラリを新しい再生ソフトに引っ越しだ! …と言いたいところだが、実は、これはあまりおすすめできない。

最初に述べたように、iPodやiPhoneなどとの連携にはiTunesが必須だ。また音楽ライブラリの管理のしやすさにおいては、iTunesは優秀な部類のソフトである。そのiTunesを切り捨てることは現実的には難しい。だから運用は、iTunesと他の再生ソフトを併用することをおすすめしたい。

ライブラリ管理やiPhoneやiPodなどプレーヤーとの同期はiTunesで行う。そうすれば、気軽に音楽を聴きたいときにも、いままで通りにiTunesで再生する。

そしてPCオーディオとして高音質を楽しみたいときには他の再生ソフトの出番だ。2つのソフトを使い分けるのはやはり少し面倒ではあるが、「音楽を聴き込むぞ」というときの頭の切り替えの、儀式のひとつとでも考えればよいだろう。

もちろん、iPhoneやiPodを利用しておらず、今後も導入するつもりがないのであれば、そもそもiTunesを選ぶ理由も、使い続ける理由も薄くなる。その場合は最初からiTunes以外を選べばよいし、あるいは乗り換えるのにも障害は少ないだろう。

実際、Windows版のiTunesは、MacとWindowsのインターフェース作法を足して割ってしまった結果、どっちつかずの使い勝手になっている感も否めない。Windows生まれ、Windows育ちのソフトの方が、Windowsに慣れたユーザーには使いやすいということはあるだろう。

そんなわけで、実際の運用方法についてはケース・バイ・ケースだ。様々なパターンを試してみて、自分でしっくり来る形態を選べばよい。

■次回は音をさらに良くする「切り札」を紹介

高音質な再生ソフトを使うことで、PCオーディオの再生クオリティは一歩上の領域に上がる。しかしPCオーディオの世界は奥深い。実はPCでの再生音質をもう一歩、いや二歩三歩と踏み込ませることができる、切り札的な再生手段が存在するのだ。

Windowsにおいては「WASAPI」、Macにおいては「afplay」。それらを用いることで、PCオーディオの再生クオリティはさらに突き抜ける。次回はこの2つについて紹介していこう。

(高橋敦)

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