HOME > レビュー > XI AUDIO「SagraDAC」レビュー。テクノロジーとセンスを結集したハイエンドD/Aコンバーター

再生音源のあるべき音をひたすら超高解像度で描写する

XI AUDIO「SagraDAC」レビュー。テクノロジーとセンスを結集したハイエンドD/Aコンバーター

公開日 2019/02/19 06:00 角田郁雄
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


電源は各セクション独立で供給徹底した音質へのこだわり

DACの前段には、ザイリンクスの高性能FPGAを配置。これは抵抗への電源オン/オフなどを制御するほか、入力された全ての信号を一度352.8MHz(48kHz系の場合は384kHz)とした上で、マルチビットの2.8MHz(もしくは3.1MHz)に変換する2段階のアップサンプリングを行うなどしている。その後、前述の27bitラダー抵抗変換アレーに送り込まれる仕組みだ。USBレシーバーはイタリアのアマネロ・テクノロジー社製で、そのボード上にはATMELのマイコン、ザイリンクスのCPLD、44.1/48kHz系高精度クロックを搭載していることが確認できた。電源部には大型Rコア・トランスを使用し、各セクションに対して9つの独立した高品位なアナログ電源を構成している。この電源こそが、R‐2Rラダー抵抗変換方式における音の要となっているのだ。

なお、内部のアナログ回路はあえてシングルエンド構成を採用。XLR出力は最終のバッファでバランス化された上で伝送される。

フロントパネルは、デジタル入力を選択するプッシュスイッチと、選択した入力とサンプルレートなどを表示するディスプレイを装備したシンプルなデザインが特徴である。筐体は贅沢にもオールアルミニウム。こうした外観からも、徹底した音質へのこだわりを感じることができる。

SagraDACのリアパネル。デジタル入力はUSB(Bタイプ)×1のほか、RCA同軸×2、BNC同軸×1、AES/EBU×1、光TOS×1に加え、HDMI端子によるI2S×1を装備。アナログ出力はRCAとXLRを各1系統装備。XLR出力は直前に設けられたバッファでバランス化される仕組みを採用している

豊かな空間性と高い解像度音場はまさに3D的

SagraDACのテストは、自宅のレファレンスシステムで行った。カクテルオーディオのミュージックサーバー、X50DからUSB接続でSagraDACへと接続。DSDはネイティブ設定である。そこからエアーのプリアンプKX‐Twenty、同じくエアーのパワーアンプMX‐R Twentyを経由し、ビビッド・オーディオのGIYA G3‐S2で再生した。

まず感激したことは、PCM音源で聴けた豊かな空間性と解像度の高さである。ステージの空気感がよく再現され、音場はまさに3D的。奏者や歌い手が浮き上がるように再現される。本機に搭載されたR‐2Rラダー抵抗変換方式DACの威力により、24bit音源の弱音の再現性が高く、静かな音階での深みや彫りの深さまでをも感じることができた。弱音の再現性が高いということは、楽器や声の微細な音をクローズアップできるということで、倍音成分はより豊富に表現されるのである。

DSD11.2MHz音源では、鮮度が高く伸び良い高域が特徴だ。個人的な経験として、モデルによってはDSD11.2MHzの高域は不鮮明になることがあるのだが、SagraDACではそのようなことは一切ない。また、DSDの繊細かつ柔らかいアナログ的な表現も十分に再現するところに、FPGAを使ったデジタル処理部のアルゴリズムの素晴らしさを感じとった。

総じての音調としては色づけが少なくフレッシュな音質で、低域から高域まで、ワイドレンジかつフラットレスポンスである。再生音源のあるべき音をひたすら超高解像度で描写することに、私はいたく感激した。SagraDACは、まさに価格を超えた高品位DACと言えるであろう。スタジオのレファレンスとしても十分通用するほどのサウンドだ。

今回、SagraDACの音に触れて感じたのは、イレブンオーディオはきっとスタジオサウンドのような「リアリティ」を家庭に届けたいと考えているに違いないということである。ぜひ、その音質を体験して欲しい。

次ページSagraDACだけではない。イレブンオーディオのもうひとつの注目機

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック: