【特別企画】連続レポート第1回

サエクの最高峰オーディオケーブル「STRATOSPHERE」を聴く ー 圧巻の分解能、空間再現力

小原由夫

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2017年07月27日
サエクのオーディオケーブルの旗艦シリーズ「STRATOSPHERE」をオーディオ評論家が分析する連続企画。第一回目は、小原由夫氏が自宅試聴室にラインケーブル「SL-1」とスピーカーケーブル「SP-10」を持ち込んでその音を確認した。

STRATOSPHEREシリーズのラインケーブル「SL-1」

信号ロスをいかに食い止めるかを最優先にして設計されたケーブル

まさに天と地ほどの価格的ダイナミックレンジで、様々なモデルがひしめき合うオーディオケーブル市場。国内外の多数のメーカーが鎬を削っているわけだが、アプローチ面からそれらを大別すると、導体の“純度”を重視したものと、伝送特性から“構造”を意識したものという2つに分けられる(もちろんその両方を意識したものもある)。

そうした中にあって、『SAEC』ブランドを擁するサエクコマースのアプローチは、実直過ぎるほど正攻法だ。すなわち、奇を衒わず、凝り過ぎず、導体の素性を生かしたケーブル開発を今日まで推し進めてきた。この度発売した『STRATOSPHERE』(ストラトスフィア)ケーブルは、前記の純度や構造も重視しつつ、信号のロスをいかに食い止めるかという点を最優先に設計したと解釈していいだろう。

STRATOSPHEREのロゴ

サエクコマースの調査によれば、ケーブル内をミクロレベルでみると、信号伝送時に極微小な減衰が生じているという。そこで同社が採った方策は、信号の流れを阻害する要素を抽出し、それを徹底的に排除すること。具体的には表皮効果の改善と、絶縁体の吟味だ。

ストラトスフィア・シリーズは、SAECのフラグシップラインであり、その開発には一切の妥協を排して臨んでいる。これまで蓄積してきた要素技術やノウハウを惜し気もなく投入し、理想とする素材を、理想とする構造にて、そのサウンドフィロソフィーを体現した、まさしく同社を代表するケーブルとして、普遍的で、しかも長い期間陳腐化することのないよう生み出されたのだ。

ケーブルを確認する小原氏。今回の取材では、小原氏の自宅試聴室にてSL-1とSP-10をチェックした

『STRATOSPHERE』という言葉には、「成層圏」という意味のほか、「最高度、最高点」という意味もあるという。宇宙の無重力/真空と、地球の大気圏を分かつエリア。それはすなわち、地上のあらゆる万物を超越し、異空間の域に達するクォリティを目指したものという、サエクコマースの情熱と自信の現われと私は思う。

スーパーストラタム構造を採用したスピーカーケーブル「SP-10」

PC-Triple Cを採用したスピーカーケーブル「SP-10」では、径の異なる導体で中心部と外周部を構成する従来のストラタム構造を見直し、外周部の導体にも個々に絶縁を施したスーパーストラタム構造へと進化した。中低域用の中心導体は、同心撚りのPC-Triple CにPFA(フッ素樹脂)絶縁を施し、高周波が流れる外周部には、リッツ線構成のPC-Triple C単線導体を11本、そのすべてにPFA絶縁を施して同心円上に配する構造を採用している。

「SP-10」1.5m:¥105,000、2.0m:¥121,000(いずれもペア・税抜)。それぞれYラグ付き、バナナプラグ付きを用意する

介在には、静電容量が低いことが特徴で、長年使い慣れている絹、シースには制振材を混入させたポリオレフィンをそれぞれ採用。端子部は金メッキによるYラグとバナナプラグのオリジナル仕様が用意されている。

SP-10の導体構造図

PC-Triple C/EX導体を世界初採用したラインケーブル「SL-1」

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