音の立体感は前人未聴

【製品批評】アキュフェーズ「DP-950」「DC-950」― デジタルソースの情報を最大限引き出す

石原俊
2017年07月24日
製品批評


CD・SACDトランスポーター/DAコンバーター
ACCUPHASE
DP-950 / DC-950
 各¥1,200,000(税抜)



アキュフェーズのセパレート型ディスクプレーヤーへの取り組みは早く、初代のDP-80/DC-81が発表されたのは1986年のこと。以来アップデートを積み重ね、DP-950/DC-950のペアに至っている。

「コンパクトディスク」という言葉の趣旨から逸れてはいるものの、メカニズムの理想を追求すると大型になってしまうことから、別筐体としたほうが製品作りを優位に行える。制約の多いSACDの信号のやり取りには、本ペアでは「HS-LINK Ver.2」という独自規格で対応し、データ信号とクロック信号を分離して伝送する。


DP-950前面

DP-950背面
DP-950の電源部は非常に強力で、4700μFのカスタムコンデンサーが10基、信号系とメカニズム駆動系にそれぞれ専用のトランス2基が奢られている。ディスクトレイは切削加工したアルミニウムで、もともと大型だったディスクドライブメカニズムはメカベースとブリッジがさらに大型化、入念な防振・制振・低重心化が図られている。ディスクはCDとSACDに加えて、DSDディスクにも対応するようになった。7セグメントLEDのディスプレイも視認性は良好だ。


DC-950前面

DC-950背面
DC-950も中身が大きく進化し、USB入力はPCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまで対応。DACチップはESS社のES9038PROが起用された。筐体内はデジタル電源部/アナログ電源部/デジタル回路/アナログ回路のセクションごとに厳重にシールドされている。さまざまな方法で低歪・低雑音化が図られ、また長期にわたって故障することなく愛用できるよう素子の発熱が抑制されている。

アキュフェーズの試聴室で本ペアを聴いてみると、音場が広く、音像が伸びやかな、これはもう最上級の聴き心地だ。音の立体感は前人未聴の領域にあるといっていい。ここまで彫刻的なステレオ感はアナログレコードでしか得られないものとばかり思っていたのだが、それを軽々とクリアしてしまった。この音にはスペックを超えたサムシングがある。ディテールの再現性は最高度に高い。最大限の情報量であるがままの音楽を伝えてくれる。リスナーはこれまでのコレクションを全て聴き直したくなるだろう。

クラシックは情報量の泉、といった趣だ。とりたてて集中力を高めなくても音楽の骨格や細部の情報をいくらでも汲み上げることができる。エンターテイメント的に聴いても、学究的に聴いても非常に快適だ。CD/SACDプレーヤーもここまできたのか、というのが正直な感想である。

オーディオ「道」を究めるための理想的なモデルといえよう。

(石原俊)

Specifications
【DP-950】 ●適合ディスク:2チャンネルSACD、DSDディスク(DSFファイルフォーマット)、CD ●読み取り方式:非接触光学式 ●レーザー・ダイオード発光波長:SACD用650nm、CD用780nm ●出力端子:HS-LINK×1(CD/SACD用)、同軸デジタル×1(CD専用) ●消費電力:16W ●外形寸法:477W×156H×394Dmm ●質量:30.6kg
【DC-950】 ●最大サンプリング周波数:[HS-LINK] PCM 384kHz/32bit、DSD 5.6448MHz [RCA、同軸、AES/EBU] PCM 192kHz/24bit [光TOS] 96kHz/24bit [USB]PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2896MHz ●DAC:8MDSD方式(DSD信号)、8MDS++方式(PCM信号)●周波数特性:0.5Hz〜50kHz(+0、-3dB)●全高調波歪率+雑音:0.00045%(20Hz〜20kHz)
●SN比:122dB ●ダイナミックレンジ:119dB ●チャンネルセパレーション:120dB(20Hz〜20kHz)●出力電圧/出力インピーダンス:2.5V/50Ω ●消費電力:31W ●外形寸法:477W×156H×393Dmm ●質量:24.2kg ●取り扱い:アキュフェーズ(株)

※本記事は「季刊オーディオアクセサリー」162号所収記事の一部を抜粋したものです。くわしいレビューは雑誌でご覧頂けます。購入はこちらから