プリ部や独自のNFB回路を刷新

【レビュー】ラックスマンのAB級プリメイン「L-507uXII」 ー ロングセラー機のさらなる進化を探る

井上千岳

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2017年07月24日
ラックスマンのAB級プリメインアンプのロングセラー機 L-507uXが“マークII”モデルにリファイン。「L-507uXII」として登場した。井上千岳氏が本機の進化のポイントを分析しつつ、試聴レビューを行った。

「L-507uX」

LECUAやODNFの最新版を採用。ラックスマンの直近5年の進化を盛り込む

ラックスマンのプリメインアンプには、A級とAB級の2つのラインアップがある。「L-590AXII」「L-550AXII」のA級ラインと、「L-507uX」「L-505uX」というAB級ラインである。このうちA級ラインは昨年リファインされて、“マークII”となった。この成果を受けて、2017年はAB級ラインのマークII化が企図され、まずはL-507uXが今回取り上げる「L-507uXII」へと進化して登場した。

オリジナルのL-507uXは、2012年の発売である。この間に5年が経過し、技術的にも着実な進歩があったのは確かだ。とりわけラックスマンの中心となるLECUAとODNFは、いずれも新しい世代のバージョンとなって音質向上に高く貢献している。

「L-507uX」 ¥480,000(税抜)

LECUAはラックスマン独自のボリューム機構で、元はフラッグシップ・コントロールアンプ「C-10」の固定抵抗切り替え型アッテネーターである。これを電子制御に置き換えたのがLECUAで、2003年発売の「C-70f」に搭載されたのが最初だ。

本機では従来からのリファインを受けて、最新のLECUA1000を搭載した。切り替えは88ステップで、いっそう細かな調整が可能となっている。なおフロントパネルのLRバランスも、LECUAで制御する。

独自のNFB方式「ODFN」はバージョン4.0へと進化

プリアンプ部はこのLECUA1000を中心に構成されるが、一方でパワーアンプ部の核となるのがODNFである。

ODNFはラックスマン独自のNFBで、信号の一部をそのままフィードバックするのではなく、歪み成分だけ(Only Distortion)を検出して、増幅回路の頭に戻す。このため一般的なNFBとは少し違って、歪み成分検出のためフィードフォワードも併用している。増幅回路に入る前の信号と増幅後の信号を見比べ、その誤差を歪み成分としてフィードバックするという構成である。

背面端子部

本機では最新のODNF4.0というバージョンが搭載された。オリジナル機ではバージョン3.0であったが、昨年一年を通してA級ラインのリファインで行われたのと同じ改良が適用されたわけである。

バージョン3.0との違いは、誤差検出回路をこれまでの2パラレルから3パラレルに変えたことである。これによって歪率に関わる性能を、大幅に向上させている。

ODNFは増幅回路全体にかかる回路だが、本機ではその増幅部の2段目アンプを2パラレルからダーリントン接続に変更した。ダーリントン接続では2個のトランジスターをいわば直列にしたようなものだから、電流増幅率はその積となって格段に上昇する。このことによる起伏の増大を目的としたものと考えていい。さらに最終段は3パラレル・プッシュプルで、出力は定格4Ωで220W×2となっている。

低インピーダンス化を徹底してドライブ力をさらに向上

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