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【特別企画】ハイレゾやCD再生の音質もチェック

Cocktail Audioのミュージックサーバー「CA-X40」で体感する“オールインワン”の魅力

公開日 2016/10/11 10:27 山之内正
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今回のレコード録音では、ラックスマンのターンテーブル(PD-171A)とオーディオテクニカのMM型カートリッジ(AT-150SA)を組み合わせた。本機のフォノ入力はMM型専用なので、MC型カートリッジを使う場合は、トランスを介して本機のフォノ入力につなぐか、フォノイコライザーアンプ経由で本機のアナログ入力に接続することになる。手軽さ重視ならMM型カートリッジがお薦めだ。

ラックスマンのレコードプレーヤーと組み合わせて、レコードアーカイブの使い勝手と音質を検証した

録音時のサンプリング周波数は192kHz・96kHz・48kHzの3種類から選べる。サンプリング周波数を高く設定すると音質上は有利だが、ファイルサイズはかなり大きくなるので、レコードの音質や重要度に応じて適切に選ぶのが正解だ。音の良いレコードの真価を引き出すには、最上の192kHzを選ぶことをお薦めする。

リモコン操作でメタデータの入力や不要部分のカットが可能

レコードからデジタル化したファイルは、CDのリッピングのようにネット上のデータベースから自動的にタグ情報を取得することはできないので、アルバム名、アーティスト名、曲名などの情報は自分で入力する必要がある。文字入力はリモコンの数字キーを使うので多少の手間はかかるが、それも慣れればなんとかなる。パソコンを使えば入力作業は楽だが、リモコンだけでタグ編集までできてしまうところに、本機のこだわりが感じられる。

メタデータはリモコンから手動入力できる

なお、タグ情報にアルバム名などを入れておけば、ネットから該当するジャケット画像を検索してダウンロードできるので、レコードをリッピングした音源も本機のライブラリに画像が表示され、簡単に検索できる。

手動入力したタイトルやアーティスト名から、アルバムのジャケット画像を検索できる

正しいジャケットを選択すると、その音源にデータが付加される

リッピングしたファイルは、再生中にリモコンのカーソルを使って位置を選び、マーカーを入力することで不要部分の削除や曲ごとの分割など、簡易的な編集ができる。入力したマーカーの位置を修正したい場合は停止ボタンでマーカーを消去し、もう一度新しい位置にマーカーを入力すれば良い。マーカーの赤い表示が小さいので本体の画面を見ながらの作業はタグ編集よりも神経を使うが、精度にこだわらなければ十分実用になる。

レコードからアーカイブしたデータは、本機上で楽曲の切り分けが行える

リモコンでカットする位置を指定。慣れればスピーディーに操作できる

極端なことを言えば、レコードのリッピングはCDのように曲ごとに分けなくてもよいというなら、ここで紹介した作業はそもそも必要ない。アルバム名とA面、B面の識別情報を入力するだけなので、管理の手間もかからない。そのあたりは自分流にアナログ感覚で使いこなせば良いだろう。

192kHz/24bitのアーカイブではレコードのサウンドを生々しく再現する

CA-X40で録音したソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』は、ロリンズのサックスはもちろんのこと、ドラムスとベースが刻む力強いサウンドに実在感があり、ピアノと一体になったリズムの動きがクリアに浮かび上がってくる。ミュージシャンとの距離が近い感触にアナログらしさがあり、まさに聴き慣れたレコードの音が蘇る。

次ページ192kHz/24bitで録音すると、レコードのサーフェスノイズまでリアルに再現

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