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【特別企画】ハイレゾやCD再生の音質もチェック

Cocktail Audioのミュージックサーバー「CA-X40」で体感する“オールインワン”の魅力

2016/10/11 山之内正
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Cocktail Audio「CA-X40」は、1台でリッピングからハイレゾ再生まで全てを高品位に行うことができるミュージックサーバーだ。連続企画の第三回目は、山之内正氏が改めて本機の“オールインワン”の魅力を検証しつつ、アナログレコードのアーカイブ&再生も試してみた。

Cocktail Audio「CA-X40」¥480,000(税抜)

<CocktailAudio「CA-X40」連続レポート>
【第1回】1台でネットオーディオが完結。「CA-X40」の機能を詳細解説
【第2回】「CA-X40」のミュージックサーバー機能を一歩踏み込んで使い倒す

CDからハイレゾ、レコードまでをカバーするオールインワンモデル

ネットワークプレーヤーは設計の自由度が高く、複数の機能を組み合わせて用途を広げたり、使い勝手を向上させることができる。設計者の技術力だけでなく、新たな操作性を提案するセンスが問われるわけで、まさに作り手の腕の見せどころだ。そんな背景があるためか、特にネットワークプレーヤーのカテゴリーには個性あふれる製品が揃っている。

そんななか、Cocktail Audioの「CA-X40」はひときわ個性が際立つネットワークプレーヤーである。まずは内蔵の光学ドライブでCDをリッピングし、外付けまたは内蔵のストレージに保存して、オールインワン型のネットワークプレーヤーとして利用できる。さらに、内蔵A/Dコンバーターを用いて外部アナログ音源や内蔵FMチューナーの信号をデジタル化し、ストレージに保存する機能も搭載。そして、アナログ入力にはMM型カートリッジ対応のフォノ入力も含まれる。

つまり、CD、ネットワーク、アナログ機器の主要な音源を1台でほぼ完全にカバーし、しかもほとんどの機能をパソコンを使わずに利用することができる。それほど多機能なのに、あえてUSB-DAC機能を積んでいないのは、それなりの理由があるに違いない。ネットオーディオには興味があるが、音楽を聴くシステムにはなるべくパソコンを組み合わせたくない。本機のターゲットはそんな音楽ファンなのだ。ネットワークプレーヤーとしては珍しく、リモコン操作を主眼に置いていることからも、その狙いをうかがうことができる。

背面端子部。豊富な入出力を備えている

製品ジャンルとしてはミュージックサーバーと呼ぶのが適切だと思うが、購入時はストレージ用のドライブを内蔵していないので、SSDまたはHDDを背面スロットから装着する手順が必要だ。だが、実質的な準備はそれだけで、手持ちのNASやUSB-HDDに音源が入っている場合はネットワークにつなぐだけですぐに使い始めることができる。

NAS、CDとレコードのリッピングマシン、ネットワークプレーヤーの機能を1台で実現し、しかもプリアンプとしても使えることを考えると、ドライブの費用を加えて50万円前後という価格は十分にリーズナブルに思えるが、やはり肝心なのは音質。このレポートでは、そこに重点を置いて本機の各機能を実際に使ってみる。

CDリッピングは説明不要の簡単さ。CD再生も楽しめる

まず最初にCDリッピングを試してみた。一部のミュージックサーバーとは異なり、本機はCDのリアルタイム再生ができるが、リッピングの手順も説明の必要がないほど簡単で、拍子抜けするほどだ。

CDを入れるとデータベースの情報を元に曲目リストが出るが、この段階ではまだリッピングは始まっていない。リモコンの「RIP」ボタンを押すとフォーマットの選択画面が表示されるので、変更の必要がなければそのまま開始。曲情報が正しくなければ、本機のタグ情報編集機能を使って修正すれば良い。ネット経由の画像取得にも対応しているので、パソコンを使わなくてもライブラリを自在に管理できるのが本機の長所だ。

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