気鋭オーディオメーカー社員たちの戦い

ドキュメント新製品誕生 − CAVジャパン 真空管ハイコンポ「VAZIO」

ファイル・ウェブ編集部

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2010年02月18日

製品の試作段階からコストパフォーマンスの高さや、ハイレベルな音質・デザインが話題の注目モデルVAZIOに迫る特別企画。後編は、VAZIOとコンシューマーの出会いの場である「売場」に密着。VAZIOのチャネル開発に奮闘するCAVジャパン社員と販売店担当者の姿を追った。(前編の製品レビューはこちら

新たなマーケットを切り拓く新製品“VAZIO”、誕生

2009年11月。設立から3年あまりの新進AVメーカーから、新たなマーケットを切り拓く新製品が産声を上げた。会社の名は、CAVジャパン。中国・広州のオーディオメーカーCAVを母体としながらも、中国製品の輸入・販売するだけでなく、2008年からは独自に企画・設計を手がけた日本オリジナルの製品を勢力的に展開している。

同社の強みは、中国CAVの工場を利用した生産体制と日本市場を的確にとらえ「確実に売れるもの」を市場に投入していくマーケティング力にある。中国CAVがハイエンドオーディオを中心に事業を展開するのに対し、CAVジャパンは、5〜6万円のスピーカー、真空管アンプ、シアターラック、iPodスピーカー“IPIGLET”シリーズなど、ジャンルの垣根を超えて独自製品を次々に市場に投入していく。そしてその間、中国の工場では日本人スタッフを派遣し徹底した現場管理を行うことで、日本人にも受け入れられる高い水準でものづくりを行える体制を着実に築いていった。

そのCAVジャパンが満を持して投入したのが、真空管アンプとiPodドックを搭載したコンポ“VAZIO(バッジオ)”だ。VAZIOはiPodドック一体型の「T-2」、ドックを本体と分離したタイプの「T-3」をラインナップする。いずれも同社が得意とする小型で高音質なスピーカーと真空管アンプの技術をつぎ込みながら、iPodでの高品位な音楽再生を目指したオーディオ製品だ。


T-3(ブラウン)

T-2
発売に先立つ2009年10月、東京・秋葉原。同社代表取締役社長の法月利彦氏は、記者会見(関連ニュース)に集まった各社のプレスに、VAZIOの魅力を高らにアピールした。「“アナログとデジタルの融合”を成し遂げたVAZIOは、真空管を知らない今の若い方たちには“新しい"製品として映るだろうし、私のような世代には、憧れの真空管を手軽に楽しめる製品と感じてもらえるはずだ」


CAVジャパン(株)代表取締役社長 法月利彦氏
同社 事業企画部 部長の高橋 和哉氏は、VAZIOの商品コンセプトを「家で音楽を聴きたくなる製品、家で積極的に置きたくなる製品とはどのようなものか、ということを徹底的に考えた結果」と説明。それを具体化するために「真空管のあたたかく長時間聴いていても疲れないサウンド、手軽さ、インテリア性の高いデザインが必要だった」とも付け加える。

強力な大手メーカー製品に押され売上は苦戦。
VAZIO認知拡大のため営業部隊の地道な努力がはじまる


華々しいデビューから約1ヶ月が経った12月。VAZIOが大手家電量販店やオーディオ専門店の店頭に並び始めた。だが、高橋氏自身が「あまり知名度がないブランドの新製品が、いきなり大きく売れるほど甘くはないと考えていた」と語るとおり、同月の売上げは、商品の高い完成度とは裏腹に、やや低調なまま推移した。

しかしCAVジャパンには確信があった。「率直に言って、12月の売上げだけを見れば『苦戦』という表現があてはまる。だが、商品のコンセプトや完成度がお客様に認知され、理解していただけたら、必ず販売は上向くと考えていた」(高橋氏)。

同氏の言葉が実際の数字となって表れてきたのは、2010年1月に入ってからのことだ。カメラ量販店最大手のヨドバシカメラでの1月の売上が前月比2倍を達成するなど、VAZIOは各地で販売台数を伸ばしていく。その背景には、VAZIOの認知拡大に奔走する同社営業部隊の努力があった。

モノはいいのになぜ売れない!CAVジャパン社員たちの奮闘劇がはじまる

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