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CAVジャパンのiPod対応真空管ハイコンポ“VAZIO”の魅力に迫る<前編>

高橋敦/Phile-web編集部

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2009年12月15日

CAVジャパン(株)のiPodドック搭載真空管ハイコンポ“VAZIO”がいよいよ発売となった。製品の試作段階からコストパフォーマンスの高さや、ハイレベルな音質・デザインが一部関係者の間で話題となっていた注目モデルである。高橋敦氏の製品レビューや開発者への取材を通して、“VAZIO”の魅力に迫っていきたい。


オーディオへの興味を掻き立てる力がある佇まい  文/高橋敦

“VAZIO”はiPodドック一体型あるいは標準付属のオーディオシステムの、そのアンプ部を真空管で構成した製品。その組み合わせが今までになかったわけではないが、マニアックにせず、エントリー層にも魅力的な製品として提案していることが新鮮である。

シリーズ第1弾として発売されるのが「T-2」「T-3」の2機種。iPodと真空管が並ぶ姿がまず単純に魅力的だ。ある世代には新しさを、ある世代には懐かしさを感じさせるだろう。オーディオへの興味を掻き立てる力があると思う。そしてスピーカー込みで約8万円〜約11万円という価格は、興味を持った人に「この価格なら・・・」と思わせるはずだ。


アルミ仕上げでスタイリッシュな印象の「T-2」
iPodドック一体型の「T-2」は、プリ段には12AX7管、パワー段にはEL-84管を採用している。パワー段のEL-84は左右各1本によるシングル動作。この構成だと出力数は稼げず、左右各3Wだ。しかし真空管アンプの実際の音量や音圧は、出力数以上のものがある。本機も8畳程度の部屋ならボリュームを12時の方向以上に上げる必要を感じさせない。

本体と、スピーカーもアルミ製。近年のアップル製品に通ずる素材なのでiPodとよくなじむ。ネットを外すとスピーカー前面のほぼ全体にフォーム素材が張ってあるが、振動や反射をコントロールするためとのことだ。外観の雰囲気は、シックとも感じるし、レトロフューチャー的でもある。インテリアに合わせて様々な表情を見せ、そこに調和してくれそうだ。


「T-3-BR」。リアルウッドの木目仕上げで落ち着いた雰囲気のブラウンカラー

「T-3-WH」。ピアノホワイト鏡面仕上げで上品な雰囲気のホワイト
ドックを本体と分離したタイプの「T-3」。プリ段に12AX7管を用いる点はT-2と共通だ。パワー段は左右各2本の6V6管を用いたプッシュプル回路。複数の真空管によるプッシュプル回路は、1本の真空管によるシングル回路よりも出力を稼げる。

実際の数値としては10Wを確保。プライベートルームで使うなら十分すぎる出力だ。そのパワー管は黒くくすんで見えるが、ここもポイント。カーボンコーティングで放熱性を高め、真空管を適切な温度で稼働させる狙い。動作=音質の安定性を高め、真空管の寿命も延ばす。

さて筐体を見ると、T-3には真空管がもう1本起立している。T-3にはヘッドホンアンプも内蔵されており、そちらも真空管12AU7による回路なのだ。外装の仕上げは、天然木突き板仕上げとホワイト鏡面仕上げの2パターンを用意。真空管の雰囲気と合うのは前者か。iPodと合うのは後者か。嬉しくも悩ましい選択肢だ。なお、付属のドックも本体の仕上げに合わせた色にしてあり、手抜かりがない。


T-3はヘッドホンアンプとしても利用できる
両モデルとも新たなオーディオファンを獲得する要素を持ち合わせたエントリーシステムだ。




CAVジャパン開発担当者にきくVAZIOにかける思い

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