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「断腸の思いだが、再び立ち上がるためにいま痛みに耐える」

パイオニア、事業構造改革を発表 ー ディスプレイ事業撤退などで2011年度の黒字化目指す

公開日 2009/02/12 20:39 Phile-web編集部
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<ホームエレクトロニクス事業>
■「オーディオ」「DJ機器」「CATV関連機器」の3つに絞り事業を展開
■“音”に関する技術などを活かし、新たな事業領域にも参入
■ディスプレイ事業からは完全撤退
■光ディスク事業はシャープと合弁も視野にいれた協業方法について具体的に検討中

<カーエレクトロニクス事業>
■ブルーレイ対応モデル/ネットワーク対応型商品の拡充
■テレマティクス事業への取り組みを強化
■カーナビを中心にOEM受注拡大目指す

<グループ全体>
■事業体制のスリム化
・事業の選択・集中とカーエレクトロニクス事業での生産体制見直し
・国内外での生産拠点の集約 ー 30社ある生産会社を約3割削減
・販売拠点の統廃合
・本社機能/研究開発機能の見直し
 ー 全世界で昨年12月末比6,000人の従業員削減
 ー 派遣・請負社員を約4,000人削減

■財務体制の改善
・棚卸し資産/売り掛け債権圧縮
・設備投資抑制
・役員報酬を基本報酬部分の20%〜50%カット。役員賞与支給無し
・従業員給与の減額

今後はカーエレクトロニクス事業を主軸に、次世代ハードディスク製造装置や、好感度撮像素子を利用した高付加価値部品などといった新規事業、住宅組み込み型製品の開発などを積極的におこない、「次の一手」を開拓する。

■「断腸の思いだが、再び立ち上がるためにいま痛みに耐える」ー 小谷社長会見

パイオニア(株)小谷 進社長

「パイオニアが先駆けて進めてきたプラズマディスプレイ事業から撤退するのは本当に残念なことであり、断腸の思い」と胸のうちを明かした小谷社長。「パナソニックとのパネル共同開発など、事業改革は順調に進んでいたが、経済環境の激変により、これまで利益の大きな源であったカーエレで初めて赤字を計上したほか、薄型テレビの価格下落が予想以上に速く進んでしまった。このため、今の構造改革では収益改善が見込めないと判断した」。

「プラズマの技術には自信を持っていたし、内外でも高い評価をいただいていた。しかし赤字状態が続き、他事業の利益を回して成り立っていたような状態だったのは確かで、この現状が何年も続くのはパイオニアのためにならないと判断した。技術者はもちろん経営陣も『なんとか続けたい』というのが本音だ。しかしパイオニアが再び立ち上がるためには、いま痛みに耐える必要がある」と、切実な思いを訴えた。

今後はシャープとカーナビ用の液晶ディスプレイなどで協業を続けていくほか、カーエレに関しては独自の技術を育てながら、ユーザー目線から製品開発を進め、通信をベースにした「総合端末としてのカーエレクトロニクス製品」を製造し、さらなる飛躍を目指す。

小谷社長は「今回の構造改革を進めることにより、2011年度の黒字化を目指す」と力強く発言した。

(Phile-web編集部)

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