「今後は松下からPDP調達検討、今秋液晶テレビ投入」 − パイオニア企業説明会詳報

2008年03月08日
別項でお伝えしたとおり(関連ニュース)、パイオニアはPDPの自社生産を終了することを発表した。本項では7日に同社が開催した企業説明会の模様をお伝えする。

説明会には同社代表取締役社長の須藤民彦氏らが出席。パイオニアの今後の経営戦略について答弁を行った。発表された内容については、こちらの文書のとおりだ。

今回の発表の骨子は以下となる。

■PDPの自社生産モジュール搭載は「次期新製品まで」(→詳細は既報
垂直統合型から付加価値提案型のビジネスモデルへ転換。高画質・高音質・高品位の製品をその付加価値にふさわしい価格で提供する。

■“KURO”シリーズの思想を活かした液晶テレビを今秋より市場投入(→詳細は既報
パイオニアとシャープ(株)の技術者により共同開発し、ラインナップを順次拡大。両社の製品の付加価値と開発効率の向上を目指す。この成果はCEATEC JAPAN 2008や各種製品発表の場で紹介予定。

■BDは自社開発をプレーヤーに絞り込む(→詳細は既報
製品プラットフォームと併せたパッケージ販売でデバイスの外販も拡大。シャープとBDプレーヤー/レコーダー用ピックアップやドライブの共同開発も行う。

■カー用に加え、付加価値の高いホーム用スピーカーの展開に注力
東北パイオニア(株)にスピーカー開発・生産機能を集約。FPD用スピーカーの独自開発・拡販も計画中。

■カーナビゲーション事業の拡大
携帯電話とインターネットを利用したテレマティクス機能を強化。車内の総合情報端末として訴求。

ディスプレイがホームAVの中核であるとの姿勢は維持

業績に見合った体制・販売戦略により黒字化を狙う

ディスプレイ連携製品などの拡充でHE事業の黒字化を図る。BDレコーダーの発売も示唆


スピーカー事業はホーム用に注力

カーエレクトロニクス事業は現在の収益性を維持しつつ拡大戦略をとる
以上のように、PDPモジュール外部調達やシャープとの協業をなどを含むディスプレイ事業の構造改革でホームエレクトロニクス事業の黒字化を図るほか、カーエレクトロニクス事業やスピーカー事業を拡大し、企業価値を向上させる考えが示された。

ディスプレイ事業の構造改革などにより企業価値の向上を図る考えだ


■PDPモジュール生産委託は「パナソニックと協議中。しかし正式には決まっていない」


パイオニア(株)須藤民彦氏
これまで同社の強みとしてきたプラズマパネルの自社開発から撤退することになったことに関して訊かれた須藤氏は「正直に申し上げれば苦渋の決断であり、非常に残念で、悲しいこと」と発言。「しかし事業のことを考えると、このようにせざるを得ないと考えた」という。今後は画像エンジンや筐体のデザイン、付加機能などで勝負していく考えとのことだ。

また、パネルの調達先について「現在パナソニックと協議中」であることを明らかにした。ただしこれは飽くまでも協議中の段階であることを強調。調達開始時期についても「委託先が正式に決まり、双方の準備が整った時点で開始する予定。外部調達パネルを搭載した製品の発売時期も、はっきりとしたことは現段階で言えない」とするにとどめた。

さらに、外部調達によりパイオニアのPDP技術が外部に流出することについては「自社生産と同等のクオリティのパネル生産を続けるためには、技術開示は必要で、ビジネスとして仕方のないことだ」とコメント。一部で報じられた、生産委託先とのパネルの共同開発に関しては「こちらの技術を提供し生産を委託することを単に“生産委託”と言うか“共同開発”と言うかは、単に言葉の問題である」との考えを示した。

今秋より欧州を皮切りに市場導入することが明らかにされたパイオニアブランドの液晶テレビに関連し、今後の製品の具体的なラインナップについても質問がなされた。これについては「基本的に50V型以上はプラズマ、それ以下は液晶で展開する予定だが、はっきり決まっているわけではない」(須藤氏)と発言。来期のテレビ出荷台数は、今期の出荷台数である48万台をベースに方針を固めていく考えだという。

最後に今回の決断に至ったこれまでの経営戦略について訊かれると、須藤氏は「技術力・資金力・販売力など、パイオニアのリソースと世の中の動きとがマッチせず、スピード感を持った経営ができていなかったと感じている」と述懐。「このようなギャップはずっと感じており、企業や製品としての独自性と世の中の流れとの間でどう整合性をとるか試行錯誤を続けてきたが、それが成果に結びつかなかった」との見解を示した。

(Phile-web編集部)