HA-FW01/02/03

JVC、“CLASS-S”第3弾はハイレゾイヤホン「WOOD inner」3機種。新ユニットなどで高音質化

2016/09/15 編集部:小野佳希
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JVCケンウッドは、新開発のウッドドームユニットなどで高音質化を図り、ハイレゾ帯域の再生にも対応したカナル型イヤホン“WOOD inner”3モデルを10月中旬に発売する。ラインナップは下記の通り。

WOOD 01 inner「HA-FW01」

WOOD 01 inner「HA-FW01」 ¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)
WOOD 02 inner「HA-FW02」 ¥OPEN(予想実売価格35,000円前後)
WOOD 03 inner「HA-FW03」 ¥OPEN(予想実売価格24,000円前後)

2014年2月からこれまで販売が続いたロングセラー機“WOODイヤホン”がリニューアル。従来モデルで好評を集めた音色や響きの良さ、中低域の厚みは維持しつつ、解像度や繊細さ、低域のリニアリティ、臨場感や音場の広がりといった音質のさらなる向上を図ったという。なお本シリーズは、“SIGNA”“WOOD”ヘッドホンに続き、上質さなどをコンセプトにした同社「CLASS-S」製品群に属するモデルとして展開される。

詳細は後述するが、各モデルの主な違いとして、最上位機のWOOD 01 innerは11mmドライバーを、WOOD 02 innerとWOOD 03 innerは10mmドライバーを搭載。「01」「02」がリケーブルに対応し、同時発表の別売ケーブル「CN-HM01MB」とポータブルヘッドホンアンプ「SU-AX01」とを用いてのバランス接続に対応する。

WOOD 02 inner「HA-FW02」

WOOD 03 inner「HA-FW03」

■3機種共通の特徴:新ウッドドームユニットや新開発パーツを採用

まず3モデル共通の特徴として、先行して展開中の「WOOD 01/02」で開発した、薄さ50μmのカバ材シートを用いた新ウッドドームユニットを採用。80μmだった従来のWOODイヤホンに比べ40%近くの軽量化を実現し、中域から高域の繊細な表現力の向上につなげたという。

ウッドドームユニット

伝播速度が速く、材料に異方性があり定在波が発生しにくいなどのメリットがある木製振動板を採用

この新ウッドドームユニットには、プレート形状を改良した“ハイエナジー磁気回路”を採用。リニアリティを改善することで低音楽器の音階表現能力の向上を図った。

プレートにテーパーをつけた新形状でリニアリティを改善

また、筐体には新開発の「ウッドスタビライザー」を搭載。木材のスタビライザーによって適切に振動を抑制し、これによって濁りのないクリアなサウンドを実現したとしている。

ハウジング部

ウッドスタビライザーを採用

加えて、何度も試作を繰り返してドットの最適な配置位置を探った新開発のパーツ「アコースティックピュリファイアー」も搭載。ドット(凹凸)によって共振分散および剛性向上を行い、分解能の改善を図っている。

「アコースティックピュリファイアー」を新開発

さらに、「エルゴノミックアングルドフィットフォルム」の新採用によって装着感も改善。全長を短くすることで耳から近い地に重さがかかって外れにくいようにしたこと、耳側に重量バランスが寄る形状にしたこと、耳に当たるフロントパーツの径を耳の窪に見合うサイズに大型化したこと、ブッシングの位置を調整してサポート力の向上を図ったことなど、全体フォルムを最適化している。

また、音筒の角度や位置も耳孔の角度に合わせて調整。装着感のさらなる向上も図っている。

装着感も改善

そして、各モデルで細部は微妙に異なるが、3機種とも異種材料を組み合わせた設計によって振動をコントロール。ウッド、ステンレス、真鍮、アルミなど、各モデルで材料を変えて組み合わせを調整している。

異種材料を組み合わせることで音質に配慮

そのほかケーブルは3モデルともL/R独立グランドケーブルを採用。また、前述のウッドドームユニットにはCCAWボイスコイルを採用し、レスポンスを高めることでハイレゾコンテンツを正確に再現できるよう配慮した。

■各モデルごとの特徴

WOOD 01 innerは、11mm口径ドライバーを搭載し、再生周波数帯域は6Hz〜50kHz。同社では「ダイナミックさ、臨場感に秀でたハイクラスモデル」と説明している。ケーブルは着脱可能で、端子にはMMCXを採用している。

リケーブルに対応

WOOD 01 innerの構成分解図

2個のステンレスリング、ブラスインナーハウジング、アルミキャップという4種類の異種素材パーツによる「クアッドメタルハーモナイザー」を採用。これにより不要振動の抑制と、美しい響きの実現を狙った。

さらに、今回の3モデルで本機のみ、ケーブルに布巻きケーブルを採用。また、こちらも本機のみの特徴として、パーツのハンダに音響用のものを採用しているほか、スパイラルドットイヤーピースに加えて低反発イヤーピースも付属する。

WOOD 01 innerは種類の異なるイヤーピースが付属

WOOD 02 innerは10mm径ドライバーを搭載し、再生周波数帯域は6Hz〜45kHz。「ウッドの良さをバランスよく伝えるスタンダードモデル」としている。本機もMMCX端子のリケーブルに対応している。

WOOD 02 innerの構成分解図

最上位の01が上記のように“クアッド”であったのに対し、本機は「トリプルメタルハーモナイザー」を採用。ブラスリング、ブラスインナーハウジング、アルミキャップの組み合わせによって不要振動抑制を図っている。

WOOD 03 innerは、02同様に10mmドライバーを搭載し再生周波数帯域は6Hz〜45kHz。リケーブルには対応しないが「ウッドの魅力をコンパクトにまとめたベースモデル」だとしている。

WOOD 03 innerの構成分解図

本機はブラスインナーハウジングとアルミキャップによる「デュアルメタルハーモナイザー」を採用。これにより不要振動を抑制している。

なお、プラグ部はポタアンとの接続が多いと想定される「01」がストレートを、「02」「03」はスマートフォンなどとの直接接続を想定しL型を採用している。

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