NHK放送博物館に関連展示中

“玉音放送”を記録したのは、DENON(電音)の円盤録音機だった

公開日 2015/08/03 18:23 編集部:杉浦 みな子
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昭和20年(1945年)8月に太平洋戦争の終結を伝えた「玉音放送」は、DENON(当時通称:電音/デンオン)の円盤録音機によって記録されていた音源だった。デノンが、公式サイト内「Denon Museum」で紹介している。

DENON BRAND History 玉音放送
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「Denon Museum」

今年は戦後70年目を迎える年であり、先日宮内庁より玉音放送のレコード原盤が初公開されたことも記憶に新しい。実際に玉音放送の記録に使われたのは、「DP-17-K」可搬型録音再生機。なお、記録に使用されたセルロース製の円盤も同じくDENON製だった。

実際に使われたのは、DENON DP-17-K 可搬型録音再生機。円盤も同じくDENON製だった

当時の円盤は1枚で3分しか記録できなかったため、5分の玉音放送は前半部・後半部の2枚に分けて記録されたという。上記サイトによれば、昭和天皇による録音自体は2回行われ、実際の放送には2回目の録音盤が使用されたとのことだ。

玉音放送の録音は、NHKが宮内庁内で実施し、記録された円盤は極秘裏に内幸町の放送会館まで運ばれた。終戦を良しとしなかった軍部の目を避けるために、二手に分かれて運ばれたと伝えられている。

なお、東京・愛宕にあるNHK放送博物館には、録音に使われた円盤録音機と同タイプのB型モデルが展示されている。さらに、実際に記録が行われた円盤の実物も展示されている。※放送博物館は現在リニューアル工事のため休館中で、オープンは2015年12月を予定。詳細はこちら

NHK放送博物館の様子

また、この玉音放送にまつわる内容は、半藤一利氏が執筆したノンフィクションや、岡本喜八監督の東宝映画『日本のいちばん長い日』の中でも描かれている。登場する機械と円盤は現物と異なるが、DENONの円盤録音機と録音盤が重要な役割を果たしていることがわかる作品だ。

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