1年半をかけて独自開発

オヤイデが独自開発の新導体「102 SSC」開発、10月17日から商品化

2014/09/19 ファイル・ウェブ編集部
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オヤイデ電気は、ケーブル用の新導体「102 SSC」を開発。10月17日から、同導体を採用した新製品を一挙発売すると発表した。

同社がPCOCC-Aの生産中止を受け、独自に開発した導体。開発には1年半の歳月が必要だった。

素材の材質ではなく、加工技術によって音質向上を図ったことが大きなコンセプト。同社では「精密導体」という言葉で製品の特徴を表している。導体の生産を行っているのは愛知県の三州電線で、オヤイデ電気と共同で、素線表面の平滑加工と加工精度の向上に取り組んだ。

汎用導体(左)と「102 SSC」(右)の素線表面写真

素材にはJIS C1011に準拠した、リサイクル銅を含まないバージン銅のみを使用。この素線の表面平滑性を高めるために天然ダイヤモンドダイスを採用した。

また、通常は洗浄によって表面の不純物の除去を行うが、「102 SSC」ではマイクロメートル端子で表面を削る機械ピーリングにより、表面に浮き出た不純物を除去する。電気用銅線にピーリング加工を施すのは世界でも類がないという。

左が通常伸銅、右がピーリング処理を施した伸銅

その後、伸銅工程による機械的応力歪みを除去するためのアニーリングを行うが、この段階でもこだわりを発揮。機械的強度、導電率、再結晶化などを考慮し、テストを繰り返して得た最適な温度と時間調整で処理を行うという。

構造を「3E導体構造」としたことも特徴で、同心撚り配列構成の一括集合撚り線導体とした。3種類の異なる素線径を配置する事で撚り線配列を緻密化。導体構成の細径化が可能となり、導体特性値の向上が期待できるという。

導体構造は「3E導体構造」

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