各社が最新ヘッドホンアンプを展示

【ヘッドホン祭】ヘッドホンアンプ試聴会場レポート − トライオードの管球DAC、Wise-Tech新ブランドなど

公開日 2012/05/12 16:38 ファイル・ウェブ編集部
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本日開催された「春のヘッドホン祭2012」。本項では、スタジアムプレイス9階で開催されていた「ヘッドホンアンプ試聴会」に展示されていた製品を一挙に紹介していく。

■トライオード

トライオードからは、今回が世界初公開となる製品が2モデル発表された。一つはUSB-DAC「TRV-DAC1.0SE」で、出力を真空管もしくはソリッドステートで切り替えられる、同社らしい製品だ。また、前面パネルから内部の真空管が見えるデザインとなっているのもユニークだ。192kHz/24ビットまでの入力に対応し、アップサンプリングや位相切替にも対応。価格は12万円前後で、6月中の発売を見込む。

USB-DAC「TRV-DAC1.0SE」

もう1モデルはCDプレーヤー「TRV-CD5SE」。本機も真空管とソリッドステートの切替が可能で、前面から真空管を見る事ができる。本機は15万円前後での販売が予想され、発売はDACと同じ6月中となる見込み。

CDプレーヤー「TRV-CD5SE」

■ナスペック

ナスペックは、台湾KING REX社のヘッドホンアンプ「HQ-1」を展示。7月頃の発売を見込み、価格はオープンだが10万円前後となりそうだ。本機は電源部とアンプ部をセパレート構造としたことが最大の特徴。電源部にはトロイダルトランスを採用するなど内部パーツにもこだわり、さらに外観もフロントパネルをアルミメッキのヘアライン仕上げとするなど充実の仕様を誇る。コストパフォーマンスの高さで注目を集めそうだ。

台湾KING REX社のヘッドホンアンプ「HQ-1」

KING REXでは384kHz対応の「UD384」も展示

■フェーズメーション

フェーズメーションには新モデルはなかったものの、192kHz/32bit入力が可能な「HD-7A 192」をアピール。またEPA-007の展示も行っていた。

「HD-7A 192」

■リリック

リリックのNmodeはヘッドホンアンプ「X-HA1」を中心に展示。今年1月に発表したモデルで、1bitデジタルアンプを搭載していることが大きな特徴だ。D/Aコンバーター「X-DP1」に搭載した1bitデジタルヘッドホンアンプ部をベースに、基板をフルバランス化し単体で製品化した。

ヘッドホンアンプ「X-HA1」

■第一通信工業

McAUDIブランドのUSB対応DAC「MD3300」や、バランス出力にも対応するヘッドホンアンプ「M-81」を展示。M-81はバランスタイプの場合399,000円となる。アナログ回路用の電源はL/R単独のプッシュプル回路超低ノイズのものを採用するなど、こだわりの仕様を備えている。

バランス出力にも対応するヘッドホンアンプ「M-81」

■ジェーエイアイ

ORBブランドから約1年半前に発売した「JADE-1」を中心に展示していた。価格は94,000円。もともと「10万円以下クラスで最高品位の製品を」と開発されたモデルで、その音質と外観の品位には定評がある。

「JADE-1

■インターシティ

インターシティは、デュアルモノ構造のバランス型アンプ「MBA-1Platinum」(¥329,000)のほか、「MSA-1S」(¥199,500)や小型モデル「HD-1L」(¥99,800)などを展示。なお、「MBA-1Platinum」はゼンハイザー「HD650」やUPSCOFCバランスケーブルをバンドルしたセットモデルも販売を行っている。

「HD-1L」(¥99,800)

■バクーンプロダクツ

バクーンプロダクツは、参考展示のUSB-DAC「DAC-9730」が今回の目玉。価格は36万円前後を予定する。出力はRCAのほか、BNCの「SATRI-LINK出力」も1系統を装備。入力はUSBのほか、同軸デジタル、光デジタルも各1系統備える。

参考展示のUSB-DAC「DAC-9730」

同社はそのほか、SCA-7511mk3やSCA-7512も出展。多数モデルの聴き比べができる展示構成となっていた。

■フックアップ

フックアップはAntelopeブランドの製品を展示。「ZODIAC Gold」と「VOLTIKUS」の組み合わせ、またシルバー筐体の「ZODIAC」と「VOLTIKUS」の組み合わせなどを試聴することができた。なお海外で発表されて話題となっている、ルビジウムクロックを内蔵したAD-DAプリアンプ「RUBICON」については、今夏は展示されていなかったが、日本でも発売することを確認できた。

「ZODIAC Gold」と「VOLTIKUS」の組み合わせ

■オーディオデザイン

オーディオデザインは、できたてほやほやの新製品ヘッドホンアンプ「DCHP-80」を展示していた。昨年発売したDCHP-100のアッテネーターを通常のボリュームとし、外観もシンプルにした弟機。アンプ回路や構成はすべてDCHP-100と同様ながら、157,500円と価格を抑えた。発売は本日5月12日で、フジヤエービックのほか、同社直接販売も行う。

新ヘッドホンアンプ「DCHP-80」

■ニューオプト

ニューオプトはヘッドホンアンプ「KH-08N」を出展。まだ試作機で、発売日は未定だ。KH-07Nをベースに、バランス化したヘッドホンを接続した限定モデル。トロイダルトランスや基板は左右独立で2つずつ装備し、さらにパワー増幅段をA級動作とするなど、音質をたかめる工夫を凝らしている。

中段が「KH-08N」

■オプティマソリトン

オプティマソリトンは、3月に発売されたばかりの、BLOSSOMブランドのフラグシップアンプ「BLO-3090」を中心に展示。ヘッドホンアンプ機能では、シングルエンドとバランス型のヘッドホン両方に対応できるコンボ仕様出力と、4ピンXLR端子によるバランス駆動専用出力を装備。またヘッドホン出力インピーダンスや出力ゲインの切替スイッチを前面に設け、様々なヘッドホンの使い分けに便利な仕様とした。

■JABEN

シンガポールのJABENのブースには、同社製品をズラリと展示。「Hippo」シリーズや小型モデル「GoVibe」など、同社製品の音質を実際に確かめることができた。

非常に小型な「GoVibe Mini-Box」

■Rudistor

Rudistorブランドでは、光/同軸/USB入力を備え、クラスAアンプを内蔵した「DAC-X3」をメインに展示。本機が現在のイチ押し製品とのことだ。そのほか、クワッドモノ・バランスド構造のヘッドホンアンプ「RP30」も展示。いずれも高級製品で、ふだんなかなか聴く機会のない製品だけに、多くの来場者が集まっていた。

「DAC-X3」(上)と「RP30」(下)

■Wise-Tech

Wise-Techでは、同社が新ブランドとして立ち上げる「NEW-TONE」製品に注目だ。その第一段製品が「eDision-1」で、今回が初披露となる。6月下旬発売を予定し、価格はオープンだが23,800前後となる見込み。高いコストパフォーマンスを実現した製品だ。

「eDision-1」

96kHz/24bit入力に対応し、プリアンプ部は真空管&トランジスタ構成。電源ケーブルは脱着式で、さらに真空管は5670タイプのものと入れ替え可能。またオペアンプ「MUSES8820」も差し替えられるなど、購入したあとの楽しみも用意されている。入力はUSBのほか、同軸、光が各1系統。またRCAアナログ端子も入力2系統と出力2系統を備え、ヘッドホンだけでなく様々な製品を組み合わせて使うことができるDAC内蔵プリアンプだ。

■東京サウンド

東京サウンドは、もはやおなじみとなったヘッドホン専用真空管アンプ「ValveX SE」を出展。ロングセラーとなっている製品で、双三極真空管プッシュプル方式を採用し、歪みやノイズを抑えている。

「ValveX SE」

「ValveX SE」

■フィデリックス

フィデリックスは、CAPRICEの様々なバージョンを展示、聴き比べできるという趣向だった。I2S仕様のものは、352.8kHz/24bitの再生に対応。またDSD対応のものも用意されていた。価格はどちらも189,000円(税込)。

CAPRICE(写真はI2S仕様)

■Glasstone

グラストーンは、192kHz/24bit対応のDAコンバーター「MY-D3000」とバランス型のヘッドホンアンプ「HPA-30W」(231,000円)を出展。HPA-30Wは、増幅素子に0.5%で特性を揃えたアナログデバイセズ製デュアルトランジスタSSM2212/SSM2220を採用したモデルだ。

バランス型のヘッドホンアンプ「HPA-30W」(231,000円)

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