HOME > インタビュー > iFI-Audio・トルステン博士が語る「現代ならではの電源対策」、その背景に迫る

他にはない、ユニークなオーディオアクセサリー

iFI-Audio・トルステン博士が語る「現代ならではの電源対策」、その背景に迫る

公開日 2016/03/15 19:19 季刊NetAudio編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
iFI-Audioは、独創性に溢れたアイデアを具現化したオーディオアクセサリーブランドとしても、実にユニークな存在感を放つブランドである。特に、USBを始めとした現代のオーディオ環境ならではの問題点を根本から解決する電源周りの製品においては、極めて高い人気を誇っている。
ここ最近では、DCアダプターをターゲットとしたアイソレーターiPurifier DCが驚異的な注目を集めているが、iFI-Audioの電源機器がここまでの評価を獲得する秘密はどこにあるのか。開発者であるトルステン氏にお話しをうかがった。


iFI-Audioのキーパーソンとなる主任エンジニア、トルステン・レッシュ氏。本項では同社のアクセサリープロダクトについての話を聞く

― iFI-Audioの製品はどれもユニークですが、なかでもとりわけmicro/nano iUSB3.0やiPurifier 2、そしていま脅威的なペースで販売実績を重ねているiPurifier DCといったアクセサリー類は、まさに“iFIだからこそ"の製品ですね。

iFI-Audioが、「世界のどこにもない、自分たちが欲しい製品を作る」ことをポリシーとしていることについては度々お話していますが、もちろん、アクセサリー関係でも同様のポリシーで開発しています。USBにまつわる電源環境の整備はiFI-Audioの創業時から重要なテーマとなっていて、最初の製品ラインアップにもUSBアイソレーターmicro iUSB-Powerが入っていました。先日発売したmicro/nano iUSB3.0や、iPurifier2、そしてiPurifier DCもその流れにある製品です。

iFI-Audioの電源対策アイテムとして最初のモデルとなったiUSB-Power(生産終了)。現在のアクセサリーラインアップを語るにあたり、重要な意味を持つ製品だ

― そもそも、iUSB-Powerを最初の製品のひとつとして開発したことに関しては、何か理由があったのでしょうか?

2009年頃の話なのですが、その頃はユーザーの皆様もまだまだオーディオに使用するという意味でのPCのセットアップが進んでいない時代でした。そうした環境でしたので、PCをタッチパネルで動作するようにして、お店で実際に操作しながらセットアップまで解説できるような展示方法を考えていたんです。
そうなると、お客様の手元にPCがなければならないので、必然的にUSBケーブルを長く引き回す必要がありました。そこでケーブルの真ん中に電源を持ったアクティブなUSBケーブルを、ある会社に作ってもらったことがあったんです。長さは15mと非常に長いものでした。

― USBの規格では、正式には5mまでですよね?

はい。それをあえて作ってみた、というわけです。それでその音を聴いてみると、普通の仕様の、ごく短いUSBケーブルよりも、この15mのUSBケーブルの方が断然音が良かったんです。このこともあって、2012年のブランド設立と共に「理想のUSB環境を作り出すための製品」から着手することにしました。

次ページUSB3.0対応に時間をかけたわけとは?

1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE